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[選手権]“阿波のメッシ”が大暴れ!徳島市立が全国リーグ昇格の旭川実に勝利!

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[12.31 全国高校選手権1回戦 旭川実2-3徳島市立 市原臨海]

 第90回全日本高校サッカー選手権大会は大会2日目となり、1回戦16試合が行われた。千葉県・市原臨海競技場の第2試合では2年ぶり3回目出場の旭川実(北海道)と10年ぶり12回目の出場となる徳島市立(徳島)が対戦。試合は点の取り合いとなったが、“阿波のメッシ”こと徳島市立FW武田崇靖(2年)が3得点全てに絡む大活躍を見せ、徳島市立が3-2で来年全国リーグのプレミアリーグイースト昇格が決まっている旭川実に勝利した。徳島市立は1月2日の2回戦(市原臨海)で四日市中央工(三重)と対戦する。

 立ち上がりペースを握り、チャンスを作っていたのは旭川実だったが14分、それまでシュートゼロで「この試合はシュート打たせてくれないのかね、とコーチと話していた」と矢間雅司監督が話していたほど抑えられていた徳島市立が突如牙を剥いた。右サイドに開いたFW山口達也(3年)がクロスを入れ、旭川実DFがそれをクリアしようとしたが、クリアミスとなり、そこに詰めていた武田がボールを奪い取り右足を振り抜いてシュート。これが決まって、劣勢だった徳島市立が先制した。

 その後慌てる旭川実に対し、徳島市立は勢い良く攻め立て24分、今度は武田のパスを受けた山口がシュートを決めて2点目を決めた。旭川実もすぐさま反撃し、26分には相手のパスミスからボールを奪ったFW山本真司(2年)がゴールを決めて1点差に詰め寄った。その後は旭川実が同点に追いつこうと攻撃の圧力を強めたが、徳島市立は守備の集中をきらさず、前半は2-1と徳島市立リードで終えた。

 後半も旭川実が多くのチャンスを作り、11分には山本のシュートが徳島市立GK山岡圭太(2年)に阻まれ、こぼれ球を拾ったキャプテンMF石山卓哉(3年)のシュートもGKに阻まれるという決定機を決めきれなかった。他にも旭川実は何度も得点機会を作ったが、徳島市立はDF近藤亮(3年)を中心とする守備陣が集中を切らさず、旭川実にゴールを割らせなかった。

 2-1のまま迎えた後半40分、前がかりになり間延びした旭川実守備陣を徳島市立の武田が自慢のドリブルで切り裂き、そのシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を途中出場のFW圓藤敦也(2年)がゴールに押し込み3-1に。アディショナルタイムに旭川実にPKを献上し、MF秋林裕也(3年)に決められたが、何とか逃げ切った徳島市立が3-2で旭川実に勝利した。

 徳島市立は10年ぶりの全国大会出場で、初戦突破はなんと17年ぶり。矢間監督は、戦術などの話よりまず先に「本当に3年生はよくやった。進学校なので例年インターハイ明けに3年生は辞めていたが、今年はインターハイのメンバーが6人残った。インターハイの初芝橋本戦の惜敗で『もうちょっとやれるのではないか』、という気持ちになってくれた子が残ってくれた。DF近藤、MF森本幸樹(3年)、DF島田拓弥(3年)は大会が終わったらセンター試験を受ける。そういう中でもよくやってくれた彼らのおかげ」と受験を控えながら大会に出てくれた3年生を労った。そして「今日は5点くらいやられると思ったが、前半2回の決定機をよく取った。あれが勝機」と前半少ない決定機を決め切れたことを勝因として語った。

 次戦の相手は17年前に2回戦で敗れた四日市中央工。「格が違うのでチャレンジャーの気持ちでしっかり守備からやっていく。サッカーの質も能力も違うので、うちは一生懸命やるだけ。武田や酒巻孝啓(3年)を使ってCB2枚が頑張れば結果も出てくると思う」と2回戦に向けては謙虚に戦う姿勢を見せた。

 ポゼッションやシュート数で上回りながらも敗れた旭川実の富居徹雄監督は「あれだけ外せば負ける。それが初戦と言ってしまえばそうかもしれないが、あれだけビッグチャンスがあってポストやバーも叩けば負けてしまう。相手はそれを狙ってきたのだろうし」と悔しさをにじませながら語った。

[写真]歓喜の阿波踊り!徳島市立が2回戦へ駒を進めた
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 小林健志)

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