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[MOM535]新潟西GK山本健太郎(3年)_中学以来のPK2本ストップで勝利呼び込む

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 新潟西1-1(PK4-2)鹿児島城西 駒沢]

 PK戦の後手鹿児島城西(鹿児島)の1人目、新潟西(新潟)GK山本健太郎(3年)は「思ったところに飛んでいいと言われていたので」と思い切って体を投げ出すと「たまたま当たった」といきなりのPKストップ。これで勢いに乗ると、チームメートが失敗していた4巡目でも「最初に1本止めて自信があった」とこの日2回目のセーブに成功。この瞬間、新潟西の勝ち上がりが決まり、山本は勝利の立役者となった。

 元々、PKはあまり得意な方ではなかった。コーチからは「山本は止められないからPKになったらどうするんだ」とチームにハッパをかける材料にされた。そして試合後には仲間から「別人かと思った」と言われ、苦笑するしかなかった。

 ただ、それでも本人は密かに自信を持っていた。「最近は当たらなくてダメだと思っていたけど、盛岡商との練習試合で1本止めていたので自信はあった」。山本は大会直前の練習試合でつかんだ感触を大舞台で生かし、中学以来となるPKストップ2本で勝利を呼び込んでみせた。

 存在感を示したのはPK戦だけではなかった。前後半合わせて31本ものシュートの雨を降らせてきた鹿児島城西の猛攻を、守備陣と一丸となって防ぎ切った。勇気を持って投げ出した体でシュートを止めたシーンは1度や2度ではなかった。「彼に助けられた」と成海優監督も殊勲の守護神を称える。

 目標の選手は元メキシコ代表ホルヘ・カンポス。173cmの山本は「身長が高くないのにプロで戦えていた」と小柄な体格ながら世界で活躍していた異色のGKに理想を見出す。その憧れの選手に一歩でも近づけるよう、山本はこれからも攻撃的なセービングで新潟西のゴールマウスを死守し続ける。

[写真]新潟西の山本はPK戦で2本セーブの殊勲
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 神谷正明)

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