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J1、ACL、ロンドン五輪…過密日程の2012年へ権田「全部出る」

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[1.1 天皇杯決勝 京都2-4F東京 国立]

 優勝の喜びよりも安堵の気持ちが上回った。体調不良を押して出場したFC東京のGK権田修一は「優勝したら監督のところに走っていこうと思っていたけど、それどころじゃなかった」と苦笑い。29日の準決勝・C大阪戦(1-0)前日に体調を崩し、この日も決して万全な状態ではなかった。

 疲労困憊の理由はもう一つ。「前半最初のゴールキックで左太腿をつった」と、足に違和感も抱えながらのプレーが続いた。それでも「交代枠を一つ使うわけにはいかないし、がんばったら、試合が終わってフワーッとした。『もう立ってなくていいんだ』と思って、うれしさよりも『終わったー』という気持ちのほうが大きかった」と、気持ちで90分間戦い抜いた。

 天皇杯を制したことで来季のACL出場権も獲得した。J1リーグ、ナビスコ杯、ACLを戦う2012年は、開幕前の2月から五輪アジア最終予選も大詰めを迎え、夏にはロンドン五輪本大会が控える。過密日程は2011年以上だが、「『忙しいね』とか『休めないね』とか言われますけど、そうしたくてもできない選手もいる。選ばれた人にしかできないことだし、選ばれた責任として、しっかりやらないといけない」と真剣な表情で言った。

 今季はU-22日本代表からチームに戻って先発から外れる時期もあったが、「基本は全部出る路線」と、チームでも代表でも守護神の座を譲るつもりはない。「『この試合はいいでしょ』なんて試合は存在しない。常に100%の準備をして、たとえ疲れていても、その状態が自分の100%として、常に最高の準備をしないといけない」。2年ぶりのJ1、初のACL、そしてロンドン五輪。“三足のわらじ”で権田がゴールを守り続ける。

(取材・文 西山紘平)

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