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[MOM545]立命館宇治MF小中優樹(3年)_3年越しの思いをぶつけて決勝弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]

[1.2 全国高校選手権2回戦 東京都市大塩尻0-1立命館宇治 柏の葉]

 緊張からくる自滅で、自分たちのサッカーができなかったという立命館宇治イレブン。そんなチームを救ったのがMF小中優樹(3年)だった。0-0の後半25分、PA左でクロスボールのこぼれ球を拾って左足シュート。グラウンダーできっちりゴール右に沈め、立命館宇治を1-0勝利に導いた。守っては、ボランチとして安定した守備で完封に貢献した。

「こぼれてきて、とりあえず、はよ打とうと思ったら、ボテボテになってしまった。でも、うまく入ってくれて良かった。前半はセカンドボール拾われてしまったので、僕はそこを意識しました。でも後半は、得点を意識しました。得点を取らないと勝てないので、そこは強く意識しました」としてやったりの小中。攻撃参加がうまくはまった。梁相弘監督も「チームで一番、状態がいいのは彼。仲間の前で、冗談で“やるぞ”と言っていたけど、その通りやってくれた。たいしたもんです」と“MOM”に挙げた。

 この日、立命館宇治は初戦ということもあり、全体的に硬さがみられた。しかし、小中だけは落ち着いていた。ボランチの位置で丁寧にパスを回し、カウンターを受けても、しゅかりと体を張って対応した。「自分としては落ち着いていた。とりあえず、焦ってボールを蹴っていたので、僕のところにボールが来たら、落ち着かせるようゆっくり攻めようとしていた」という。その通りのプレーを随所に披露した。

 3年越しの思いをぶつけた。2年ぶり2回目の出場となった立命館宇治だが、初出場のときは、小中は1年生だった。だが、MF山口慶(名古屋や千葉で活躍)やMF武岡優斗(鳥栖や横浜FCで活躍)を輩出した京都の強豪・宇治FCジュニアユース出身とあり、1年生からメンバー入りを果たしていた。夢の選手権の舞台。しかし、アクシデントに見舞われた。

「メンバーに入って、登録もされていたけど、大会直前に右足首の靭帯を痛めてしまって、抹消された。そういう意味では、2年前は悔しい思いをしました」と小中。ついに叶った選手権の舞台。当時の反省を活かして、コンディション維持に努めた。その結果、監督からも評価されるほどの状態で大会に挑めた。

 梁監督に評価されているのは、パスワークや攻撃センスだが、本人は守備でのアピールも狙っている。「自分的には、去年のキャプテンがものすごく守備がいい選手で尊敬していた。セカンドボールの寄せも速いし、運動量も豊富のうえ、ボールも落ち着かせられる。集中力もすごかった。それで守備面を今年、意識して取り組みました。今では守備のほうがいい。パスコースを消すのが自分の持ち味です」と小中は胸を張った。

 3回戦の相手は、強敵の四日市中央工(三重)。攻め込まれる可能性があり、小中の仕事も増えるだろう。もちろん、しっかりと守備をして攻撃につなげるつもりだ。京都サンガF.C.の18歳FW久保裕也とは2年時にクラスメートで、元日は天皇杯の決勝を食い入るように見たという。同級生から受けた刺激もエネルギーに変え、勝利に貢献する。

(写真提供『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 近藤安弘)

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