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[MOM548]大分FW岡部啓生(2年)_進化を続ける2年生FW

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 大分3-1浦和東 埼玉]

 前半に互いに1点ずつを決め、試合は1ー1のまま膠着状態に陥っていた。両者とも要所要所で相手を封じ、なかなか打開策を講じられない時間が続いたが、そんな停滞ムードを吹き飛ばしたのが大分(大分)の2年生FW岡部啓生だった。

 後半28分、FW小松立青(3年)が相手DFを振り切ってクロスを入れると、ファーサイドに飛び込んでいた岡部は「GKを見て蹴った」と冷静にゴールに流し込んだ。これで勢いに乗った大分はそれまで抑えられていたうっぷんを晴らすかのように怒濤の攻撃を見せ、35分にMF佐保昂兵衛(3年)のシュートのこぼれ球をMF梶谷充斗(3年)が叩き込んで試合を決定づけた。

 ゴールはまさに鍛錬の賜物だった。大分はボールを奪ったらすぐに前線の3人が相手DFの裏のスペースを狙って走り込むため、FWには豊富なスタミナが求められる。岡部は前半からピッチの上下動を繰り返していたが、足が止まることはなかった。

 普段のトレーニングでは、山にある1キロ65段の階段を10本を目安に猛ダッシュ。その成果が無尽蔵のスタミナを生み出し、試合終盤のゴールにつながった。「練習では試合以上に自分に厳しくして、試合の方が楽だと思えるくらいやっている」。本人も体力には自信を覗かせる。

 初戦の北陸戦ではハットトリックの活躍でチームの勝利に貢献したが、続く2回戦でもチームの決勝弾をマーク。「この前のハットトリックを決めた時よりも、今日の方が相手は嫌だったと思う。前は点を決めただけで、今日の方がよかった」と朴英雄監督は殊勲の左ウィングを称える。

「岡部はスピードもあるし、技術もある。彼は試合ごとに進化している」。次は青森山田(青森)との対戦となるが、この難敵を打ち破ることができた時、岡部はさらなる進化を遂げているはずだ。

(取材・文 神谷正明)

[写真]後半28分、勝ち越しゴールを奪ったFW岡部啓生(2年)

(写真『高校サッカー年鑑』)
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