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[MOM556]市立船橋MF磐瀬剛(1年)_国体全国制覇のルーキーが「風間封じ」

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[1.3 全国高校選手権3回戦 清水商0-3市立船橋 市原]

 注目FWの前に市立船橋の1年生MFが立ちはだかった。初戦でSBを務めていたMF磐瀬剛(1年)はこの日、ボランチとして清水商のU-18日本代表FW風間宏矢主将(3年)をマークする指示を受けた。抜群のシュートセンスとドリブル突破など世代屈指の攻撃力を持つ「風間封じ」を1年生ながら担った磐瀬だが、その実力は本物だった。「自分がやらないと勝てないと思った。でも風間選手は上手かった。ボールを触らせないつもりだったけれど触られてしまったし、後ろ向いていてもボールを蹴ってくる。まだまだです」と本人は首を振っていたが、結果は清水商のキーマンに食らいつき、決定的な仕事をさせずに完封勝利。朝岡隆蔵監督も「想像以上にやってくれた」と賛辞を並べていた。

 肉弾戦をさせたら市立船橋の3年生でも勝てないほど。175cm、68kgの身体を強引に相手の前にねじ込んで、ボールを奪い取ってしまう。また視野が広く危機察知能力も高い。左SBとして先発した千葉県大会決勝では全国高校総体4強の流通経済大柏のサイド攻撃に蓋をして、絶妙なカバーリングと攻撃の組み立ても見せていた。また昨年10月の山口国体では千葉選抜のCBとして全国制覇に貢献するなど強さを活かしてどのポジションでもできる強みがある。

 マンマーカーとしての高い資質を示したこの日、自身の出来に対して厳しい言葉を並べた磐瀬だが、勝利の喜びは大きかった。前述の国体では決勝で静岡とスコアレスドローに終わり両チーム優勝。「素直に優勝を喜べなかった」というが、この日静岡との決着をつけたことは「本当にうれしかった」と喜んだ。どのポジションで起用されても役割を全うする準備は出来ている。国体ですでに全国タイトルを獲得している磐瀬。次に手に入れる勲章は選手権日本一しかない。 
 
(取材・文 吉田太郎)

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