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[MOM563]市立船橋DF小出悠太(2年)_「借り返したい」夏のPK失敗糧に完封&2戦連発も

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 矢板中央0-2市立船橋 駒沢]

 全国高校総体の雪辱に燃える2年生CBが2試合連続ゴールと完封劇でチームを7年ぶりとなる4強へ導いた。前半20分、左FKのチャンスでゴール前に飛び込んだ市立船橋DF小出悠太(2年)は「走り込んだところにボールが来た。当てるだけだった」と頭で合わせ貴重な先制ゴール。同じくMF菅野将輝(3年)のFKから決めた清水商戦での一撃に続く2試合連続のヘディング弾によってチームに大きなアドバンテージをもたらした。

 そしてDFとしてもパートナーの種岡岐将(2年)とともに矢板中央攻撃陣の前に立ちはだかり、完封勝利に貢献。1年生から左SBのポジションを獲得するなど、期待の大きいCBは絶妙なカバーリングと身体の強さも発揮して相手に反撃を許さなかった。朝岡隆蔵監督も「集中している。(2人の)2年生CBが自覚を持ってくれている」と評した守り。先制ゴールを挙げたヒーローは堅守・市船の柱としても勝利に貢献した。

 小出にとって全国は雪辱の舞台でもある。前回大会王者として臨んだ11年夏の全国高校総体では桐蔭学園(神奈川)との初戦で1-1からのPK戦の末に7-8で敗戦。9人目のキッカーとして登場した小出のシュートが外れ、チームは敗退した。それだけに「PKを最後外した。『あの借りを返したい』と思っていた。優勝してインターハイの借りを返したい」と意気込む。自身の失敗で初戦敗退した夏の全国舞台。あの借りを返すには選手権で優勝するしかないと思っている。

 中学時代はジェフユナイテッド千葉の下部組織に所属。「実力が足りなかった」とユースチームへの昇格を逃したが、「国立のために」高校サッカーへ目標を変えて夢をかなえた。長生郡一宮町にある自宅から船橋市の学校までの通学時間は約1時間半。練習を終えて帰宅するともう11時になっているというが、「見返したい」という思いも練習にぶつけて成長してきた。「(夏にSBから)CBをやり始めたばかりの頃は先輩に頼りっぱなしだった。でも今は自信が出てきた」。名門を最終ラインで支える2年生は大分との準決勝でもディフェンス面はもちろん、「チャンスがあれば狙っていく」というゴールも含めて相手の脅威となりそうだ。 

(取材・文 吉田太郎)

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