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[選手権]就任1年目で日本一!市立船橋・朝岡監督が“因縁”の国立で宙に舞う

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[1.9 全国高校選手権決勝 市立船橋2-1(延長)四日市中央工 国立]

「選手自身もそこ(頂点)を求めてやってきて、私自身もいろいろな思いの中で市船を優勝させたいと思っていた。(表彰式のために)スタンドに登って行った選手たちを見て夢かと思いました。こんなに上手く行っていいのかと思いましたし、本当にこれは現実なのか周りの人に確認しました」。昨春の監督就任から1年目で日本一に立った市立船橋の朝岡隆蔵監督は、感激した表情で「心ある選手たちに胸を打たれましたし、うれしく思っている」と選手に感謝した。

 朝岡監督は市立船橋が初優勝した94年度大会では準々決勝まで主力のひとりとして活躍しながらも、発熱によって準決勝以降を欠場。チームから隔離され、決勝はチームメートたちが歓喜を爆発する姿を自宅のテレビで見ていた。「オレは何をやっているんだ」という思いは「(指導者として)国立に戻ってきて勝つんだ」という夢に変わった。4年前に母校のコーチに就任し、石渡靖之監督から指揮を引き継いで1年目。自身の中で封印していた現役時代の選手権への思いは喜びとなった。

 練習中には厳しさと同時に笑顔で選手と接してきた指揮官。決勝前日にMF菅野将輝(3年)が改めて「朝岡監督を胴上げしたい」と語っていたが、選手たちの厚い信頼と強い思いによって、就任1年目で全国優勝という大きな勲章を手にすることができた。地元・OBも望んでいた選手権制覇。和泉主将は「一緒に頑張ってくれて、選手と近い距離にいてくれた。国立で胴上げすることができてうれしい」。県大会優勝時は「全国で優勝してから」と拒否した胴上げもこの日は快諾。現役時代、国立で優勝の瞬間を味わうことのできなかった1年生指揮官がこの日、国立の中心で宙に舞った。

(取材・文 吉田太郎)

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