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[C☆voice_50]専修大MF長澤和輝「どこの大学へ行ったかということよりも自分が何をやったかの方が大事」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第50回は全日本大学選手権決勝で先制ゴールを決めるなど専修大の大学日本一に大きく貢献したMF長澤和輝選手(2年=八千代高)です。

 ドリブル、パス、そしてゴールでも期待される高速アタッカーは、新生・全日本大学選抜でも期待されるMFは12年、そして将来へ向けてどのように考えているのか?

―千葉への練習参加でプロの環境を感じてきたと思うが現在の状態、モチベーションは
「今まで色々な(Jリーグの)クラブと練習試合とかはしてきたんですけど、2週間とかクラブと一緒に練習することはなかった。クラブと一緒にいることでプレッシャーのスピードとか判断のスピードとか大学のレベルと比べて一段階も二段階も違うと思った。そういう世界で将来やっていこうと考えているから、そのレベルを意識して練習もやったし、大学でやっているときは漠然とプロということだけ考えていたけれど、プロが明確に描けるようになったのでそれは行ってよかったなと思っています」

―ジェフでの手ごたえは
「練習参加した選手はみんな言っていることなんですけど、プロへ行って感じることは判断のスピード、プレスのスピード、パスのスピードがやっぱり一段階速いなと。慣れかもしれないですけれど自分は劣っていると感じた。ハーフコートの練習とかしても動き出しとかが遅かったりしてまずパスが足元に入らなかったりする。自分のやろうとしているプレーができなかったりするので、もっともっと考えないといけない。専修大学とかではサイドに開いて足元でもらって勝負したりできたり、自分で点取ったり、パスできたりしたんですけど。いくところいくところのサッカーに適応していかないとやっていけない」

―昨年と比べてチームのスタートは
「他のチームに比べてウチのチームはいろいろな選抜へ行ったり、プロに行く選手が多くて、チーム作りでは他のチームよりも遅れていると思うんですけど、個人個人がいい経験をしてきていると思うので、それは強みでもあると思います」

―専修大に行く選択が正しかったことが証明された1年
「自分は高校の時にインターハイの県予選で初戦負けして、行ける大学が凄く限られていた。明治、中央、早稲田といったチームに行けなかったということもあるけれど、どこの大学へ行ったかということよりも自分が何をやったかの方が大事だと思っていた。八千代高校は凄い自主性重視。練習は2時間しかやらない、朝練はやってもやらないでもという環境。その中で自分は考えて練習してきた。大学でもそれを変えずにやっていけば、どこでやっても変わらないと思っていた。たまたま2年目でチームの仲とかも良かったし、いろいろなことがかみ合って結果が出た」

―自分自身、手ごたえはある
「やれたこともやれなかったことも当然あったと思うんですけど、やれたこととしては点を取ることができた。得点王にはなることはできなかったんですけど、インカレの決勝だったり、リーグ戦の天王山の筑波戦だったり、大切な試合で点を取れた。後期1-0の早稲田戦も決勝点を取れたし、大切なところで点取れたのはよかったんですけど、リーグを通じてどの試合でも活躍できた訳ではないですし、全然得点のない時期もあった。まだまだ取れたし、ゴール以外の守備とかも課題はあったと感じました」

―鍛えないといけないところはほかに
「自分はオン・ザ・ボールの部分、ドリブルしたり、ボールを運んだりするのは得意なんですけど、昨年点を取ってマークされると思うので、ボールがないときの動きとか、そのときそのときでプレーしながらもっと、もっと、もっと考えるということをしていきたいと思う」

―周囲から感じるプレッシャーは
「選抜とか行っても他の大学の選手から『専修強いね』、とか言われるし、昨年あれだけ結果残しておいて『今年ダメでした』、じゃ話にならない。昨年以上いいプレー、いいサッカーをしなければいけないなと思っていますけれど、それをプレッシャーに感じることはあまりないですね。シーズンがまだ近づいていないからかもしれないですけど、できなかったり、どうしようとか考えることはないです」

―今年どうすれば専修すごいな、と認めさせることになる?
「それをまだ深く考えたりしたことはないですけど、昨年やってきたことをしっかりと続けるということと、自分だったら自分の力をもっともっと伸ばせば、それがチームのためになる。昨年やってきたサッカーで自分は個人の力を伸ばすこと」

―どこを見てもらいたい
「攻撃ですね。シュートだったり、スルーパスだったり。去年はあまりアシストとかしていないですけど、自分が動くことで周りのスペースをつくったり、自分がもらってシュートを打ったり、自分からのパスだったり色々な面でゴールに直結するプレーができればと考えている。なおかつ、専修大学が攻撃的で美しいサッカーと内容も重視しているので、内容にもこだわりながらやりたい」

―自分の将来像は
「行ける所までいきたいなというのは当然ありますし、サッカー選手としては常に上を目指していきたいと思っている。例えば、今はJ1の一番強いチームの中盤として出てもやっていけないと思う。個の能力を伸ばしていかないといけない。ここまで行きたいということは今の段階ではまだ言えるところではないです」

―進路決断の要素は
「自分が考えているのは高いレベルでやりたいということがある。高いレベルでやることは自分の力になるし、学べることも多いと思う。常に高いレベルでやりたいと思います」

―最後にゲキサカの読者に向けて
「せっかくこうやって専修大学も、自分もピックアップしてもらって、それは素直に嬉しく感じますし、スポーツ選手というのは注目されているうちが華だと思う。上を目指して注目されるように頑張るので見ていてほしいです」

(取材・文 吉田太郎)

連載:「College star voice」

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