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香川がトップ下で先発も…ウズベクに初黒星喫し3次予選2連敗で最終予選へ

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[2.29 W杯アジア3次予選 日本0-1ウズベキスタン 豊田ス]

 W杯アジア3次予選は29日、各地で最終戦を行い、C組2位の日本代表は豊田スタジアムで首位・ウズベキスタン代表と対戦した。すでに両チームともに最終予選進出を決めている試合は、後半9分にウズベキスタンが先制。日本は反撃もままならず、0-1で敗れ、過去5勝3分のウズベキスタンに対し、9戦目で初黒星を喫した。
 これでW杯アジア3次予選は昨年11月15日の北朝鮮戦(0-1)に続き2連敗。この結果、日本は3勝1分2敗の勝ち点10のままC組2位で3次予選を通過し、ウズベキスタンが5勝1分の勝ち点16で首位突破となった。W杯アジア最終予選は9日に組み合わせ抽選会を行い、6月に開幕する。

 海外組12人を招集した日本は4-2-3-1のシステムを採用。海外組は8人が先発し、両SBでは内田篤人、長友佑都が3次予選で初めてそろって先発した。2列目は右から藤本淳吾、香川真司、岡崎慎司。24日のアイスランド戦(3-1)でA代表初ゴールを決めた藤本が先発起用され、香川がザックジャパンでは初めてトップ下で先発した。1トップにはハーフナー・マイクが入った。
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 ボールをつないで攻撃を組み立てようとする日本に対し、ウズベキスタンは日本のSBの背後のスペースを狙って単純にロングボールを放り込み、高さとパワーでチャンスをうかがった。それでも日本は落ち着いて対応。競り合いで体を張り、セカンドボールにも鋭い出足を見せ、徐々に流れを引き寄せていった。

 前半16分、香川がDF2人に挟まれながらドリブル突破。中央を駆け上がり、絶妙なスルーパスをハーフナーに通す。ハーフナーの折り返しには逆サイドから岡崎が詰めていたが、手前でDFがクリア。同22分には香川のスルーパスに走り込んだ岡崎が鋭い切り返しでDFをかわし、左足でシュートを放ったが、惜しくもクロスバーに弾かれた。ゴールこそならなかったが、香川が圧倒的な存在感を見せ、いきなり2度の決定機を演出した。

 勢い付く日本は立て続けにチャンスをつくる。前半25分には長友が左サイドを約50m独走。一気に相手PA内まで持ち込むと、シュート性のクロスを送り、ハーフナーが飛び込んだが、わずかに届かない。同27分には長友と岡崎で左サイドを崩し、切り込んだ岡崎の折り返しに藤本が左足で合わせるも、DFが体を張ってブロックした。

 早く先制点が欲しい日本は前半36分、長友の左クロスにGKと競り合ったハーフナーが頭で落とし、岡崎がゴールネットを揺らす。しかし、これはハーフナーのGKに対するファウルを取られ、ノーゴール。同44分、MF遠藤保仁の左CKに合わせたDF吉田麻也のヘディングシュートもゴール上に外れ、再三チャンスをつくりながら決め切れず、前半は0-0で折り返した。

 すると後半は思わぬ展開となった。ウズベキスタンは後半9分、カウンターから右サイドに展開。MFハサノフの右クロスにFWナシモフがダイビングヘッドで飛び込むと、GK川島永嗣が何とか弾くが、こぼれ球をFWシャドリンが押し込んだ。

 先制を許した日本は後半15分、藤本を下げ、昨年3月のチャリティーマッチ以来の代表復帰となったFW乾貴士を投入。乾は左サイドに入り、岡崎が右サイドに回った。乾は個人技で局面の打開を図るが、人数をかけて守るウズベキスタン守備陣を崩せない。同21分にはハーフナーに代わってFW李忠成が1トップに入った。

 なかなかシュートまで持ち込めず、攻めあぐねる日本だが、後半27分には長友のカットからカウンターを仕掛ける。乾がドリブルで駆け上がり、岡崎、李、乾とつないで最後は香川がPA内からシュートを狙うもDFが身を挺してブロック。あと一歩のところでゴールをこじ開けられなかった。

 後半39分には長友が足に違和感を訴え、DF駒野友一と交代。思わぬ形で最後の交代枠を使い切ることになった。ウズベキスタンの鋭いカウンターに何度か脅かされる日本はDFラインが下がってしまい、中盤が間延び。攻撃にもなかなかリズムが生まれず、反撃もままならない。後半43分には乾から香川へのパスが合わず、速攻を受けると、ナシモフにフリーでシュートを打たれた。これはゴール上に外れ、事なきを得たが、決定的なピンチだった。結局、後半はチャンスらしいチャンスもほとんどつくれず、尻すぼみの零封負け。6月の最終予選に向けて不安を残す結果となった。

(取材・文 西山紘平)

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