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スーパーセーブ連発のF東京・権田。「やるからには優勝を目指す」

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[3.10 J1第1節 大宮0-1F東京 NACK]

 ポポヴィッチ監督も、その活躍を絶賛した。「どうやって防いだかは、権田にしか説明できない素晴らしいセービングだった」と無失点に抑えたGK権田修一を褒めた。

 キックオフ直後、いきなり見せ場が訪れる。DF加賀健一がMF東慶悟にボールを奪われ、1対1の局面を迎える。「もう一度対戦するので、偶然なのか、癖を知っていて止めたかはコメントしたくない」と言うGKは、東のシュートを体に当て、このピンチを防いだ。

「試合の入りは何が起きるかわからない。チームとして、ああいうプレーにならないように前にボールを持っていく姿勢が必要だったと思う」と、加賀のミスではなく、チームの試合の入り方に修正が必要だと語った。

 その後も、シュートを防ぎ続けた。最大の見せ場は前半23分。右サイドを抜け出した東のクロスにゴール中央でMFチョ・ヨンチョルが合わせる。ここでも、体を張った権田は、さらにこぼれ球につめたチョ・ヨンチョルのシュートを連続で防ぎ、ピンチを凌いだ。だが、そこにも課題を見出している。

「1本目のセービングで体重が後ろに行ってしまったのは反省点です。2本目は足を出しましたが、それしか守れる方法がなかった。もっと良い方法があるはず」と、驚異的なセービングにも満足は見せない。

 後半に入ると、大宮はF東京の高い最終ラインの裏を狙い、ロングボールを多用する。権田がペナルティーエリア外に飛び出し、ヘディングでクリアーする場面が増えた。

「最終ラインが高い分、しっかりプレスがかかっているから狙いどころがはっきりしている。自分がゴール前だけでなく、守備範囲を広くすれば守れるので、そこは意識しています。ただ、ヘディングが多くて、ムチ打ち状態になりました」と苦笑する。

 試合後はサポーターに呼ばれ、スタンド前でのガッツポーズを促され、シャー! シャー! とスタンドに右手を突き上げた。「首が痛かったので、早く(ロッカーに)帰りたかったのですが、『顔が固いぞ!』と言われたので、まじめにやりました」と笑う。

 だが、2年ぶりのJ1での勝利にも浮かれる様子はない。

「2年前も開幕戦は勝利していますからね。今日も勝ったけど、良かったのは結果だけ。僕が目立つのは、全然良くないことだから、僕が活躍して、試合後にコメントをするのは今日だけにしたいです。やるからには、優勝を目指す。昨年、柏がJ2から昇格したチームも、J1で優勝できることを見せてくれました。やるからには優勝したい。今日出た課題を修正して、これからも地に足をつけて戦います」

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