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HTの作戦会議がドンピシャリ。原口の仕掛けが生んだ先制ゴール

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[3.14 五輪アジア最終予選 日本2-0バーレーン 国立]

 やはり、仕掛けてなんぼの男である。日本が誇るドリブラー原口元気(浦和)が、リトリートして自陣を固めるバーレーンの守備網を切り裂いたのは後半10分だった。

「あそこは狙っていた」

 濱田、比嘉と左サイドでつなぎ、左のアウトサイドに張った原口がパスを受ける。背番号14は慣れ親しんだエリアで水を得た魚のように仕掛けを開始。切れ、スピード、ともに抜群のドリブルでバーレーン陣内を深くえぐると、中へ切れ込みながら左足でクロスを上げた。これを決めたのはボランチの扇原貴宏(C大阪)。引き分け以上でロンドン五輪出場が決まる日本に、大きな意味を持つ1点が入った瞬間だった。
 
「ハーフタイムから、あそこは狙えと言われていた。中盤でハタくのもいいけど、ニアゾーンでもうひと仕事して来いとセキさん(関塚監督)に言われたので、その通りあそこに走り込んで、ひと仕事できた。本当に良かった」と原口は言葉を弾ませた。

 関塚隆監督は「前半は原口が中に入ってプレーし、比嘉がクロスを上げていたが、もうひと工夫が必要ということでハーフタイムに指示をした。相手の右サイドバックのレギュラー選手が出場停止だったことも狙った理由だった」と言った。

 胸を張ったのは扇原も一緒。「前半は元気の特徴を生かせなかったので、後半は単純に元気に預けて仕掛けさせようとハーフタイムに話した」と満足そうに振り返った。

 昨年6月にクウェートと対戦した2次予選。原口はベンチで戦況を見つめるも出番がなく、扇原はベンチ外だった。その悔しさをバネに「このチームの力になりたい」と言い続けてきた原口は「決めたのがタカだったからね。それが良かった」と笑顔を見せた。

「やっと自分たちと自分の力で勝ち取れた切符だけど、本大会に出られないと意味がない。、チームに帰っていいパフォーマンスをして選ばれないといけない。オリンピックではメダルを取れるようにしたい」

 原口の挑戦に終わりはない。

(取材・文 矢内由美子)

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