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新生レッズの“心臓”、阿部「チャンピオンを慌てさせたかった」

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[3.17 J1第2節 浦和1-0柏 埼玉]

 表情には充実感が浮かんでいた。今季、レスター・シティから1年半ぶりに復帰した浦和レッズの日本代表MF阿部勇樹が獅子奮迅の活躍でチームを今季初勝利に導いた。

 広島との開幕戦(0-1)では3バックのリベロを務めたが、この日はボランチでフル出場を果たした。ペトロヴィッチ監督が柏のMFレアンドロ・ドミンゲス対策として採用した「ボランチ阿部」。その効果は絶大だった。中盤で攻守のつなぎ役になりながら、時には最終ラインにまで下がってスペースを埋め、レアンドロが中央に絞ってくれば、すかさずプレッシャーをかけた。

「楽しみにしていたのは、レアンドロ選手をマークすることが多くなること。イギリスにいたときも映像は見ていたので、マークするのが楽しみだった」。昨季のJリーグMVPに仕事をさせない“エースキラー”ぶりを発揮。「柏の攻撃の怖いところはハッキリしていたので、そこへのマークはハッキリしていたと思う。押し込まれたけど、何とか(失点)ゼロで抑えられてよかった」と胸を張った。

「今日はチャンピオンが相手。なんとかチャンピオンチームを慌てさせるサッカーをできればいいと思っていた」。昨季のJ1王者を撃破して手にした勝ち点3。新監督を迎え、ゼロからのスタートを切ったチームにとって、これ以上の結果はない。「重要だったのは自分たちのサッカーを信じて戦うこと。一つ勝つことによって違ってくる。今日の勝ちで、ブレずに進んでいける」。新生レッズのキーマンは確かな手応えを口にしていた。

(取材・文 西山紘平)

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