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2ゴールのF東京・石川「まだまだ狙っていきますよ!!」

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[3.16 J1第2節 F東京3-2名古屋 味スタ]

「久しぶりに味スタで点を取って、本当に気持ちが良かったですね」

 FC東京のMF石川直宏は、充実の表情で振り返る。前半、名古屋グランパスに後手を踏んだチームは、後半に入って見違えるような動きを見せた。

0-1で迎えた後半14分、DF太田宏介が左サイドからPA内に侵入すると、中央のMF長谷川アーリアジャスールを経由し、MF羽生直剛がシュートを放つ。これはDF増川隆洋にブロックされたが、そこに背番号18が詰めていた。味スタで決めたリーグ戦でのゴールは、09年10月17日の柏戦以来。

「しばらくホームで決めていないから。今年、味スタで最初のゴールを決められたのはうれしかったし、サポーターの雰囲気は最高でした」

 より手応えを感じたのは、後半28分の石川にとってこの日2点目のゴールだ。FWルーカスが相手からボールを奪い、MF梶山陽平につなぐ。その背後から猛烈なスピードで飛び出して、梶山からパスを受けるとGK楢﨑正剛との1対1を冷静に決めた。

「長い距離を走って、前線に飛び出す形を確立できました。フィニッシュのイメージを持ちながらプレーできています。2点を取れたということは、チームとして2回はチャンスをつくることができたので、その回数を増やすことができているのはプラスかなと思います」

 これまでの練習や練習試合からも、何度も最終ラインを飛び出してボールを受ける動きを繰り返した。その分、オフサイドを取られる回数も多かった。

「ギリギリのところなので。でも、僕の中ではないだろうというのも結構あったんですけどね(笑)。本当にギリギリのところで勝負することが大事だし、駆け引きを続けることで周りの選手ともタイミングがわかってくるので。今日は良いタイミングで (梶山)陽平もパスを出してくれたし、僕も走れたと思います」

 この日、得点を挙げたのは石川、MF長谷川アーリアジャスールという中盤の選手だ。シュートの本数を見ても、チームとして8本のシュートを放っているが、FWのルーカスは1本のみ。MF梶山、長谷川、石川が2本、MF羽生直剛、DF加賀健一が1本ずつ。ゴール前に流動的に侵入しながら、誰もが得点を狙おうとしていることが分かる。

「富士ゼロックス・スーパーカップのときは、まだ距離感も悪くて、最後の仕事ができないところもありました。でも、どこからでも得点できることが、相手の脅威になる可能性は大きいと思います」

 また、名古屋を相手に結果がついてきたことも、F東京を加速させる要因になりそうだ。

「強いチームだし、試合巧者。その相手に逆転して勝てたことは自信を持っていいと思うのですが、前半、後半で試合の入りだったり、流れが良くなかった分、ちょっと考えないといけないなと思います。後半のプレーを最初からやることが、次の課題ですね」

 チームの戦い方が浸透し、毎年J1で優勝争いを繰り広げる名古屋にも勝った。大きな手ごたえを感じているからこそ、2得点を挙げた石川も満足をしない。

「昨年、苦しい時にサポーターは着いてきてくれました。今年は堂々とJ1でプレーしている姿を見せたい。僕もまだまだゴールを狙っていきますよ」

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