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F東京・長谷川「グループ1位で決勝Tに行く」

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[4.17 ACL第4節 F東京3-0北京国安 東京ス]

 FC東京は北京国安に3-0と完封勝利を飾り、ホームゲームではJ1第2節の名古屋戦(3-2)以来、3試合ぶりとなる白星を挙げた。3日前に行われたJリーグ第5節の鹿島戦(1-2)は出場停止だったMF長谷川アーリアジャスールは、ボランチとして先発出場を果たす。今季の公式戦に全試合スタメン出場していたMF高橋秀人が、出場停止になっていたため、初めてMF米本拓司とダブルボランチを組んだ。

 今シーズン加入したばかりの長谷川は、中盤の底からゴール前へタイミング良く攻め上がり、すでに公式戦で4得点を挙げている。だが、この日は持ち味の前線への飛び出しは控えた。シュートも1本も打っていない。「一番気にしていたのはヨネ(米本)とのバランスです。どっちかが行ったら、もう一人はバイタルエリアを抑える。ヨネはプレス行ってボールを取る能力がすごいので、それを生かすためにも自分はバランスを見ました。僕も前に行きたかったけど、タイミングを見て。そのため、なかなかシュートには行けませんでしたけど、チームとしてうまくボールを回していたし、最後までしっかりつなぐところを見せれた。その結果、3点取ることができたんだと思います」と振り返る。

 F東京は高いボール支配率を見せていたが、ボールが相手にわたったときの回収力も高かった。しっかりと前線からプレスをかけて、ロングボールを蹴らせる。全体がコンパクトだったこの試合は、相手から7回もオフサイドを取っている。また、中盤に縦パスを入れてきたときも、長谷川やDF森重真人が鋭い出足を見せてボールを奪い返した。中盤ならどこでもこなす長谷川は、これまで以上に守備面で存在感を示していた。

 相手の運動量が落ち、中盤の底で自由を得た前半と後半の終盤には、攻撃にも絡んだ。これまでの試合では前線でパスの受け手として、またはフィニッシャーとしての能力を見せてきたが、この時間帯はロングパスの出し手となってスタジアムを沸かせた。

前半ロスタイムには、2点目の起点となった。長谷川の縦パスを受けたFW渡邉千真が右サイドを突破し、ゴール前へ折り返したボールを、MF大竹洋平が決めた。「裏へのパスは狙っていました。2点目の場面もカズくん(渡邉)が良い動きをしてくれました。今年はこれまでの試合でも縦へのパスを狙っていたので、しっかり出せたかなと思います」と言う。ランコ・ポポヴィッチ監督は就任後、すぐに長谷川を主力に定着させたが、それだけ指揮官の意図を早い段階で汲み、プレーで実践してきたのだ。

 これまでなかなか出場機会を与えられなかったMF田邉草民やMF大竹洋平がスタメン起用され、完勝したこの試合を長谷川は「今日の1勝は大きいし、次につながる1勝」と喜び、グループステージの残り2試合に気持ちを切り替えた。「次の試合は、またホームゲームなので勝ちたいですね。このままグループステージを1位で通過したい。1位で通過すれば、決勝T1回戦もホームでできるので、最後まで気を抜かずにやりたい」と、気を引き締めた。

(取材・文 河合 拓)



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