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9人の清水が高木のゴールで勝利。F東京は3連敗

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[4.28 J1第8節 F東京0-1清水 味スタ]

 J1は28日、第8節を行い、FC東京はホーム・味の素スタジアムに清水エスパルスを迎えた。前半を0-0で折り返すと、後半に入り清水はFWジミー・フランサ、MFアレックスが、それぞれ2枚目の警告を受けて退場になる。9人になった清水に対し、F東京はボールを保持して攻めたが、得点をしたのは清水だった。昨季まで清水にいたDF太田宏介のバックパスミスをFW高原直泰が奪うと、ゴール前でFW高木俊幸が決めて1-0。このゴールを守り抜き、清水が勝ち点3を持ち帰った。一方のF東京は3連敗を喫している。

 前節の仙台戦で0-4と大敗したF東京は、出場停止のMF長谷川アーリアジャスールとケガ明けのMF梶山陽平が復帰した。対する清水も前節のG大阪戦(1-3)から3人を入れ替えている。DF吉田豊、MF小野伸二、FW伊藤翔がスタメンに名を連ねている。

 F東京の布陣は4-2-3-1で、最終ラインに右から徳永悠平、チャン・ヒョンス、森重真人、太田宏介。中盤の底に高橋秀人と長谷川アーリアジャスール。2列目に右から石川直宏、梶山陽平、谷澤達也が並び、1トップにルーカスが入った。対する清水は4-3-3。最終ラインは右から吉田豊、岩下敬輔、カルフィン・ヨン・ア・ピン、李記帝。アンカーに村松大輔が入り、その前に小野伸二、アレックスが入った。3トップは右から大前元紀、ジミー・フランサ、伊藤翔が並んだ。

 試合開始直後、長谷川がハーフウェー付近でボールを持つと、一気にゴールを狙う。シュートはゴールを越えて行ったが、積極的に仕掛けた。対する清水も前線からプレスをかけて高い位置から相手ボールを奪いにかかる。何度かボールを奪うものの、フィニッシュには持ち込めない。

 対するF東京は前半13分にMF高橋秀人が右サイドのMF石川直宏に展開し、オーバーラップしたDF徳永悠平にパスが出る。徳永がゴール前のFWルーカスにクロスを入れたが、ボールはDFがクリアーし、得点を許さない。

 同15分には清水もスローインの流れから、DF吉田豊のクロスにFW大前元紀がボレーで合わせるが、シュートは右に外れる。同18分にも清水はDF太田宏介からボールを奪い、速攻に出る。細かくボールをつなぎ、最後はFW伊藤翔がゴールを狙ったがDF徳永悠平にコースを変えられて得点は挙げられなかった。

 同26分にはF東京も石川が倒されてFKを得ると、DF森重真人が直接狙った。しかし、ボールはGK林彰洋の正面に飛び、キャッチされる。同30分にも高い位置でボールを奪った石川から梶山を経由して、MF谷澤達也がボールを受ける。目の前のDFをかわして左足でシュートを放ったが、ボールは左へ外れて行った。

 同32分には清水もDF李記帝がゴール前に縦パスを入れると、最終ラインをくぐりぬけて、走り込んだ伊藤が決定機を得る。しかし、シュートはGK権田修一の正面に飛びキャッチされて、決定機を生かせない。同35分にはF東京がCKのこぼれ球を拾い、谷澤がシュート。ゴール前にこぼれたボールを最後は長谷川が押し込むが、ゴールライン上で吉田にクリアーされて得点にならなかった。

 同38分には清水に決定機が生まれる。F東京、高橋がプレスに苦しみ、バックパスを送るとこれが短くFWジミー・フランサの前に出る。GKと1対1の局面を得たが、フランサのシュートもGK権田のスーパーセーブに阻まれた。F東京も前半ロスタイム、スペースに石川がドリブルを仕掛けたが、ヨンアピンに倒されてFKのチャンスを得る。石川のクロスは壁にブロックされると、跳ね返りを谷澤がシュートを狙ったがDFはGK林にキャッチされる。互いにチャンスをつくったが、そのまま前半はスコアレスで終わる。

 後半、最初のチャンスをつくったのは清水。左サイドからの李記帝のFKにゴール前でDF岩下敬輔が合わせる。GK権田の脇を抜けたボールを高橋がクリアー。これがゴールに飛んだところを権田がキャッチ。西村雄一主審はバックパスを取らずに、試合はそのまま流れた。同5分にも清水は大前が倒されて得たFKから李記帝が直接ゴールを狙うが、シュートはGK権田の正面に収まった。

 後半9分にはF東京も左サイドの太田から中央の石川にパスが出る。石川がDFを揺さぶってシュートを放ったが、ボールは体を寄せたDFに当たって上へ外れる。そこからCKが続いたが、ゴールは決まらずに0-0のまま試合が推移する。

 同10分にはハイボールをフランサと森重が競り合う。その際にフランサが手で森重の顔を打ち、フランサには2枚目のイエローカードが提示され、退場となった。数的優位を得たF東京は、攻勢に出る。同13分には左サイドから攻め、中央の梶山が落としたボールを高橋がシュート。しかし、これも得点につながらない。

 石川を中心に攻めるF東京だが、なかなか決定機を作ることができない。同21分には太田が倒されてFKを得たが、トリックプレーは機能せず。同22分には清水のベンチが動く。小野、伊藤を下げて、FW高原直泰、FW高木俊幸を投入。高木を左WGに、アレックスをトップ下に移して、高原をCFに置いた。

 同25分、F東京は高橋が大きく右サイドに蹴ったボールを徳永が受け、ゴール前にグラウンダーのクロスを入れる。これがGKに当たり、ゴール前にこぼれたが、ルーカスもつめきれず。清水DFにクリアーされる。同27分にも左サイドを抜けた太田からゴール前にクロスが入る。中央でルーカスがつぶれてフリーの石川にボールが渡るが、シュートは上に外れて行く。

 さらに清水は29分にアレックスが高橋を倒す。FKでリスタートしたボールを、速攻を防ごうとしたアレックスがブロック。これでアレックスもイエローカードが提示され、清水は2人少ない状況になってしまった。

 しかし、先制したのは9人の清水だった。太田のバックパスがミスになると、高原がボールを奪って前に運ぶ。ゴール前の高木にパスを入れると、これを高木が決めて清水が先制した。得点直後に両チームのベンチが動く。F東京は谷澤に代えてケガから復帰したMF河野広貴を投入する。清水も大前を下げて、DF平岡康裕を入れて守備を固める。

 同38分、F東京は高橋を下げて、FW平山相太をピッチに送り込んだ。しかし、ゴール前までボールを運ぶが、高原を前線に残して、7人でゴール前を固める清水の守備を崩せない。同43分にはFC東京もチャン・ヒョンスを下げて、FW渡邉千真を送り出し、総攻撃に出る。同44分には長谷川からのスルーパスを受けた平山が決定機を得たが、シュートはGK林が好セーブで左に弾き出す。

 清水は前線で高原が粘り強いプレーを見せて、時間を使っていく。このままF東京は9人の清水から得点を挙げることができず。3連敗を喫した。一方の清水は数的不利を凌ぎきり、リーグ戦では08年10月以来となるF東京戦での勝利を挙げた。

(取材・文 河合拓)

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