beacon

先発1ゴールのF東京・DF椋原「何かを残したかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.2 ACL GL第5節 F東京4-2ブリスベン・ロアー 国立]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は2日、グループステージ第5節を行ない、FC東京はホームでブリスベン・ロアー(オーストラリア)と対戦し、4-2で勝利。ラウンド16進出を決めた。

1-1で迎えた前半20分、FC東京は速攻から勝ち越しゴールを挙げている。得点したのは、この試合が富士ゼロックス・スーパーカップの柏戦(1-2)以来となる、スタメン出場を果たしたDF椋原健太だった。「ゼロックスのときも、プレーは悪くなかったと思うんです。キレもあったと思うし。でも、勝利できなかったことで、次の試合からは出られなくなったので、今日は絶対に勝ちたかった」と、この試合に対する想いを語った。

 中盤でMF長谷川アーリアジャスールがボールを奪ってから、前線まで一気に長い距離を駆けた。「結構、走りましたよね」と椋原は笑い、「試合の入りも悪かったし、一発やらないといけないと思っていました」と明かす。長谷川は右サイドのFW渡邉千真に展開した。目の前のスペースを全力疾走した椋原は、PAに差し掛かる前に手を挙げてボールを呼んだ。ゴール前に入った長谷川がDFを引き連れて潰れると、渡邉からのボールは目の前にあった。

「打つ瞬間は怖かったんです。ボールは呼んでいたんですが、まさか本当に来るとは思っていなかったので。自分のところに来るまでに時間もあったので、怖かったですね」

 それでも、丁寧にボールを叩き、しっかりとゴールネットを揺らした。「点を取れて良かったです。自分としても何かを残したかったし、点を取りたかった。同期の(大竹)洋平や(平山)相太もケガをしたけど、試合に出たときには活躍していました。彼らのためにもやらないといけないと思っていました。試合に出ていない選手たちにも、頑張り続ければチャンスは来るというメッセージになったかなと思います」と得点を喜ぶとともに、様々な立場にあるチームメイトたちを気遣った。

 久しぶりの先発出場で、DFながら1得点を挙げて4-2の勝利に貢献した。それでも「今日の試合は満足できない」と振り返る。実際に1対1の対応で苦戦する場面は少なかったが、相手に引き出されてスペースを使われる場面はあった。しばらく実戦から離れていたことで、チームメイトとの連係面がスムーズにいかなかったのだ。「先制点のセットプレーの場面も、マークに付けなかったのですが、ああいう連係の部分でうまくいきませんでした。予想以上に相手のSBも攻め上がってきて、数的不利をつくられたのですが、そういう連係はもっと話し合って高めていきたいと思います」と話す。

 両SBには先日、千葉県で行われた日本代表候補合宿のメンバーに選出されたDF徳永悠平、DF太田宏介が、いる。彼らからポジションを奪い返すことは、決して簡単なことではない。しかし、ピッチに立てば活躍できることを、この日の椋原は証明した。「努力を続ければチャンスは来ます」。厳しいポジション争いの中で確かな成長を続ける22歳は、久しぶりの実戦で新たな課題を見つけ出した。だからこそ次のチャンスで、再び成長した姿を見せてくれるはずだ。

(取材・文 河合 拓)

▼関連リンク
ACL2012特設ページ

TOP