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相手が悪かった?新生・浦和は厳しい船出

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[3.7 J1第1節 鹿島2-0浦和 カシマ]

 相手が悪かったとしか言いようがない。フィンケ新監督を迎えた新生・浦和レッズの初陣は、厳しい船出となった。3バックから4バックへの変更。リアクションサッカーからポゼッションサッカーへの転換。個の力に頼るのではなく、チームの組織力で戦う。あまりにも「チェンジ」されたチームコンセプトに、選手がまだ対応しきれていない印象だった。

 前半はきれいにダイレクトパスがつながる場面もあった。ボールを大事にしながら、相手を押し込む。その狙いは見えたが、相手ゴール前で効果的な崩しを見せられず、ビルドアップでの単純なミスも目立った。

 「去年よりもつなごうという意識は出ていると思うけど、もっと運動量を増やしていかないといけない。3回くらいパスをしたら止まってしまったり。そういうのがだんだん良くなっていくといいと思う」。最後尾から“観察”していたGK都築龍太は、チームの戦いぶりをそう評した。

 目を覆いたくなったのは4バックの守備だ。ラインコントロールが安定せず、再三背後のスペースを突かれた。DF田中マルクス闘莉王、DF坪井慶介が簡単に裏を取られる場面もあり、サイドバックが本職ではないDF細貝萌、DF平川忠亮も攻守ともに穴が目立った。2失点でよく済んだと言ってもいいほど、守備組織はお粗末だった。

 闘莉王は「まだ始まったばっか。ここで完ぺきだったら、サッカーをなめてる。ゼロからのスタートだし、強いチームをつくるためにも、こういう課題をクリアしていきたい」と力説した。相手が鹿島でなかったら、もう少しやりたいこともできたかもしれない。ただ、鹿島を相手にしたからこそ、克服すべき課題が露出したとも言える。「最初から全部うまくいくわけない。でも修正点は見つかったと思う」とFW田中達也。険しい道のりだが、一歩一歩進んでいくしかない。

<写真>前半22分の浦和の失点場面
(取材・文 西山紘平)

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