[3.15 J1第2節 新潟2-1鹿島 東北電ス]

　Jリーグ第2節・アルビレックス新潟vs鹿島アントラーズが15日、東北電力ビッグスワンスタジアムで行われた。開幕戦を白星で飾った両チームだったが、この日も新潟が好調ぶりを見せFW矢野貴章、ペドロ・ジュニオールのゴールで、昨年王者を2-1で沈めた。

　ホームの新潟は開幕戦(vsFC東京)同様のスタメン。4-3-3の3トップを矢野、大島秀夫、ジュニオールが張った。アウェーの鹿島も開幕戦(vs浦和レッズ)と同様のスタメンで4-4-2。興梠慎三、マルキーニョスが前線に入った。(スタメンはコチラ)

　序盤からハイペースな展開が続く中、新潟が一気に鹿島を突き放した。まずは前半9分、右サイドでFKを得るとMF松下年宏が鋭いクロスを放り込む。するとピンポイントで合わせた矢野が身体を大きく捻りへディングシュート。ゆっくりと弧を描いたボールは、GK曽ヶ端準の手が届かないゴール左上の絶妙な位置に突き刺さった。ホームサポーターの前で先制に成功すると同12分、新潟の勢いは加速した。鹿島のDF伊野波雅彦からボールを奪い取ったMFマルシオ・リシャルデスがPA前をドリブルで仕掛けると、DF2人の間に絶妙のスルーパスを通す。PA左のスペースにタイミング良く走り込んだジュニオールが狭い角度からシュートを流し込み、開幕戦の2ゴールに続き今季3点目となるゴールを決めた。
　一方、鹿島はボールをキープするとゆっくりとパスを回し、広い視野を持つMF本山雅志やダニーロが、前線の興梠やマルキーニョスらの動きに呼応して配球。同21分には、本山がゴール前のスペースに浮き球を通すと、マルキーニョスがオフサイドラインぎりぎりで飛び出したがGK北野貴之に一足先にキャッチされた。
　雨が降ってきた後半30分過ぎは、再び新潟の時間帯。前半30分、ゴール前混戦の中、矢野、千代反田充、再び矢野がシュート。同34分には、PA正面マルシオがPA右の矢野に浮き球を出し矢野がダイレクトボレー。しかしいずれもGK曽ヶ端準のファインセーブで阻止された。新潟は昨年王者から2点を奪い、前半を終えた。

　後半に入ると、鹿島は興梠をFW田代有三に、DF新井場徹をMF小笠原満男に交代。小笠原を青木剛と共にボランチに入れ、前半ボランチだった本山を左MFに、そして左MFだったダニーロを左SBに下げた。これを機に鹿島は中盤がより安定し、前線では野沢拓也、田代、マルキーニョスらが連携を見せ新潟を圧倒し始める。後半10分、鹿島は絶好の得点チャンスを迎えた。後方からのフィードをマルキーニョスがPA右でキープすると中の野沢にラストパス。野沢は決定的な場面でシュートを放つも、DF千代反田の伸ばした足に邪魔された。後半21分、左サイドからのクロスを田代が胸で落とすと2列目から飛び込んだマルキーニョスが強烈なシュート。その後のCKからも、DF岩政大樹のヘディングシュートでゴールを強襲するも、ポストに嫌われた。後半6本のCKを得るもゴールを奪えない鹿島は、切り札として、後半30分にFW大迫勇也を投入(⇔本山)。しかしリーグ戦デビューとなった大迫は、新潟の堅守の前になかなかボールを触らせてもらえない。
　一方押され気味の新潟は、カウンターからマルシオやジュニオール、途中出場のFW曹永哲らが果敢にカウンターを仕掛けるのが精一杯。しかし、スピードも個人技も高いため、鹿島を苦しめるには十分な効果を発揮した。一進一退の攻防が続いた試合終了寸前、鹿島は岩政の根性のゴールで1-2としたが、ここで試合終了。力尽きた。
　新潟が鹿島に勝利したのは04年10月17日(ホーム戦)以来、実に4年半ぶり。今季のホーム開幕戦で勝利を掴み、リーグ戦2連勝を飾った。一方鹿島は、後半圧倒的に攻めたものの決定力に欠け、リーグ2戦目を落とすこととなった。

(文 山口雄人)