beacon

“偉大になる可能性”持つ柏の19歳・大津が初ゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加
[3.25 ナビスコ杯GL・Bグループ第1節 柏 3-1 F東京 柏]

 前日24日に19歳の誕生日を迎えたばかりの柏レイソルFW大津祐樹が公式戦初ゴールを決めた。
 4-2-3-1システムの左MFとして先発した大津は、巧みな身のこなしから相手DFとの1対1を突破しゴール前に侵入。思い切ったシュートも放つなど左サイドで相手の脅威となった。前半32分にはスピードに乗った飛び出しでファウルを誘い、FWポポのFK弾をもたらすと、後半はさらに加速する。
 2分、ゴール前でポポからのパスを受けた大津は、この日何度も披露していた鋭いターンで相手DFのファウルを誘い、PKを獲得。そのPKを自らの右足で決め、1日遅れながらもバースデーを祝った。その後も相手の激しいディフェンスにも物怖じせずアグレッシブにプレー。ボールを取りに来るDFを引き付けてからの個人技でかわして、再三決定機を演出した。後半42分にベンチへ下がったが、交代する際はサポーターから活躍を讃える拍手と「大津コール」が巻き起こっていた。

 大津は成立学園高(東京)からJ入りした昨年のリーグ開幕戦・磐田戦でいきなり公式戦デビュー。けが人が多い中での抜擢だったが、シーズンを通してリーグ戦計14試合に出場するなどプロ1年目から出場機会を伸ばした。だが、ゴールはゼロで「今までは自分の持ち味を出し切れなかった」と振り返る。それでもチームメイトのFW北嶋秀朗が「偉大になれる可能性のある選手」と絶賛するアタッカーは、今季初先発となったピッチで躍動。「(昨年は)高校から上がったばかりで(何をすればいいのか)分からなかった。出ることで精一杯だった。でも今は違う。(今日は)どん欲にゴールを取りに行こうと思った」。ボールを持つと果敢に仕掛けて、自身の記念ゴールも叩き込んだ。

 「まだミスが多い。(バランスを崩す場面が何度かあったため)足腰も強くしないと」など課題を口にすることも忘れなかったが、「次の目標はリーグ戦でのゴール」ときっぱり。この日は直近のリーグ戦から先発8人を変更した中での起用だったが、「どんどんゴールを決めたい」と意気込む1990年生まれのロンドン五輪世代は、その攻撃力により自らを「チームを救うことのできる存在」として強く印象付けた。

(取材・文 吉田太郎)

TOP