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[高校]初勝利・栃木に負けない粘りで矢板中央勝ち点1(三菱養和SCユースvs矢板中央高)

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[高校サッカー]

[4.5 プリンスリーグ関東1部第1節 三菱養和SCユース 0-0 矢板中央高 東京ガス深川G]

 昨年の日本クラブユース選手権(U-18)8強の三菱養和SCユース(東京)と今季1部へ昇格した矢板中央高(栃木)との一戦は0-0で引き分けた。

 MF玉城峻吾主将(17)、MF佐藤聖(16)らタレント揃う今年の三菱養和SCユースは、元日本代表DFで浦和レッズの指揮を執った経歴も持つ斉藤和夫監督が「高円宮杯出場を意識したのは就任5年目で初めて。(Jクラブ勢と対等に戦う力と)プリンスで上位に行く力はある」と自信を持つ実力派集団。この日はすでに浦和へ練習参加しているJ注目のU-17日本代表MF田中輝希(16)が股関節痛で、U-18日本代表MF加藤大がU-18日本代表UAE遠征のためにそれぞれ欠場したが、玉城や佐藤を中心にほとんどの時間帯でボールを支配して攻めた。特に前半は左MF田中豪紀(17)が力強い突破で左サイドを破れば、斉藤監督が「ステップワークが速いし左利き。球を引き出すことに長けているので(僕は)メッシと呼んでいる」という佐藤が決定的なシュートを放つなど、一方的に攻撃を仕掛けていた。

 年代別の日本代表に選出されていたFW富山貴光(現早稲田大)やDF大塚正晃といった高校年代屈指の選手を擁していた昨年からレギュラーが大きく入れ替わった矢板中央は苦しい戦いだったが、昨年からのレギュラーであるDF須藤貴郁(17)を中心とした守備陣が押し込まれても集中力を切らさずに耐える。高橋健二監督が「(昨秋の)新チームスタートから本当に走ってきた」と言うように徹底的に鍛え上げられてきたチームは後半の中盤以降、攻めあぐねてミスが出てきた三菱養和に鋭いカウンター攻撃を浴びせていった。30分、カウンターからドリブルで駆け上がったFW中田充樹(16)が右足シュート。さらに33分には途中出場のMF高田裕弥(17)の右クロスにFW菊地夏輝(15)が飛び込んだ。そして38分には敵陣で相手のミスパスを奪った中田がドリブルで独走。そのまま決定的な右足シュートを放った。
 わずかな得点機を生かすことができず無得点に終わった矢板中央だったが、アーセナルのFWアデバヨールから名をとって「アデバ」と呼ばれているという快足MF田鍋陵太(15)やFW前田大夢(17)を投入してスピードアップした三菱養和の攻撃にも耐えてゴールを許さず。この日、OBのDF入江利和の決勝ゴールでJ初勝利をマークした栃木SCに負けない粘りで強豪から勝ち点1をもぎ取った。
 三菱養和の斉藤監督は「今日は動きが重かった。緊張もあったかもしれない。でも過去2年間開幕戦で大敗していたことを考えると悪くないと思う」。一方、矢板中央・高橋監督は「(栃木)SCも前節まで未勝利で)つらいけど、ウチも頑張ろうと。今後も粘り強くあきらめずにやること。(Jクラブユース勢に対して)田舎の粘りを引き出したい」と語っていた。

<写真>サイドで再三攻防戦を繰り広げていた三菱養和MF田中豪(右)と矢板中央DF益子
(取材・文 吉田太郎)

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