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[日本高校選抜]欧州遠征密着レポート1

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第37回日本高校選抜
ヨーロッパ遠征レポート
(文・イクイップメントマネージャー プーマ 冨田大平)

<4月11日(土)大会2日目昼>
 日本高校選抜はスイスを経てドイツ入り。この遠征日程も4月11日で半分を過ぎた。プーマがサポートを始めて4年目、私は今回で3度目のスタッフ参加になる。私の仕事は、選手のユニフォームやスパイクの調整整備とチーム用具の管理と保守だが、どんな時もスタッフとして全てがスムーズに機能するよう出来る事は積極的にやろうと心がけている。

 毎回感じる事だが、高校選抜は少し特殊な選抜チームだと思う。選手権を終えて環境が変わる時期の選抜遠征で、特に多感な高校生活をサッカーで過ごして来た彼らにとってはコンディションやモチベーションの維持には微妙な場合が多い。しかしながら、どんな状況でも前向きに可能性を試そうとする選手達を少しでもサポートし見続けることが出来る事、それが私の喜びでもある。

 単純に過去のチームと比較はできないが、今年のチームは、選手同士とても仲が良い。選考選手の辞退で直前合宿までチームが決まらなかったり、怪我で別メニューの調整をする選手がいたりで不安もあった。当初は前橋育英の今年3年生になる2人(FWMF中美慶哉、西澤厚志)には戸惑いや遠慮が見受けられた。だが、スイス調整合宿の後半では何かが吹っ切れたように顔つきも明るくなりどんどん積極的になった。もう一人今年2年生になる四中工GK村井泰希は、マイペースでよく食べ全く心配ない。学校毎にグループになったりすることもなく、みんな選手権を戦った仲間同志うちとけていて一緒にいても気持ちがよい。

 ドイツ入りする前のスイスでの調整合宿では、昨年3位決定戦で引き分け、PKで敗れたティチーノ州選抜と2試合やって1分1敗だった。ヨーロッパの洗礼を受けた感じだったが、チームは試合毎にモードが一段ずつ切り替わってきた感じで頼もしかった。

 そして9日、「U-19 Champions Trophy」(第47回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会)が開幕。残念なことに初戦フォルトゥナ・デュッセルドルフ戦は、1-2の惜敗に終わった。前半は殆どボールを支配していたが無得点。後半25分ハーフという試合時間からの攻めの焦りか、攻守のバランスを欠き、カウンターから2失点した。しかし、チームの持ち味であるコンビネーションが次第に機能し、登里享平(川崎F←香川西)が切り込みそのまま豪快に決め1点を挙げたがタイムアップ、残念な結果に終わった。

 悔しそうな選手達、それでも切り替えの早さも彼らの特技。夕食後自発的に選手だけでミーティングをやった。チームは一人でも諦めたら終わる、それを彼らは何度も体験して来た。今年の選手達は、今やるべき事が理解できているように思う。個人的には、特に佐藤穣(草津←前橋育英)、登里、忍穂井大樹(東海大←鹿島学園)に注目している。ポテンシャルや意識、モチベーションも高く、技術的にも相当相手を悩ます存在だと思う。

 昨日の夜には全てのチームがホテルに到着した。ロビーやレストランはユニフォーム姿の選手コーチであふれ、いや応無く戦闘モードに油を注ぐ。ワクワクする反面、準備の事が脳裏をかすめる。今日11日は2試合、ここを頑張れるかどうかで体勢が決まる。12時からグラスホッパー、16時半からPSVアイントホーヘン戦だ。彼らがどんな変貌を成し遂げるか、しっかりサポートしていきたいと思う。

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