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致命的な勝負弱さ、清水がミスのオンパレードで自滅

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[4.19 J1第6節 磐田3-0清水 エコパ]

 ミスのオンパレードで清水エスパルスが自滅した。前半は相手のシュートを2本に抑えるなどゲームをコントロールしたが、簡単なパスミスが多く、リズムをつかめない。後半に入ると、初勝利へ必死の攻勢に出る磐田の圧力に押され、ミスから失点を重ねた。

 後半10分の1失点目は、飛び出したGK西部洋平がボールに触れず、FW前田遼一の折り返しをFWイ・グノに決められた。後半28分の2失点目は相手GKからの1本のロングキックでイに抜け出され、DF青山直晃が振り切られた。極めつけは3失点目だ。後半35分、途中出場のFW永井雄一郎のミスからボールを奪われ、前田に得点を許した。

 後半16分にFW原一樹、同30分に永井と次々とFWを投入し、最後は4トップ気味の攻撃的布陣にシフトした。流れを変えるべく攻撃のカードを切っていったはずが、先発組のミスの連鎖がベンチにいた選手にも“伝染”したのか、最後まで考えられないようなミスが頻発した。

 浦和から移籍加入後、初出場となった永井は「初めてユニホームを着て公式戦に出て、最初の試合がこういう形で負けて悔しい。3失点目は自分が絡んで…」とうなだれた。

 先発11人の平均年齢25.09歳という若さが悪い方に出た。ミスからの失点に「テンション的にも落ち過ぎというぐらい落ちていた。そのあともやれることはあったのに」(西部)と、反撃の気配すら出なかった。大事なダービーマッチは、勝てば一気に上位戦線に食い込める一戦でもあった。

 長谷川健太監督は「ミス絡みで失点して、なかなか切り替えられないのは精神的な甘さ。こういう試合を乗り越えていかないと、精神的にタフになれない」と言ったが、昨季のナビスコ杯決勝を挙げるまでもなく、致命的とも言える勝負弱さを解消できない限り、悲願のタイトル奪取はあり得ない。

<写真>ボールを追いかける清水FW永井(9番)
(取材・文 西山紘平)

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