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[高校]「戦う」千葉U-18、大逆転で首位撃破(千葉U-18vs東京Vユース)

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[高校サッカー]

[4.19 プリンスリーグ関東1部第3節 東京Vユース 2-4 千葉U-18 ヴェルディG]

 今秋の全日本ユース(U-18)選手権出場権7枠を懸けたJFAプリンスリーグ(U-18)関東1部は19日、6試合を行った。首位の東京ヴェルディユース(東京)と最下位のジェフユナイテッド千葉U-18(千葉)との一戦は、2点ビハインドをひっくり返した千葉U-18が4-2で勝利。今大会初勝利を挙げた。

 闘争心で上回った千葉U-18が本来の力を発揮し、V候補に逆転勝ちをおさめた。第2節終了時点の順位は2試合で10得点を挙げていた東京Vユースが首位で、2試合で10失点を喫していた千葉U-18は12位だった。その戦績が反映されてか、序盤の試合の流れは完全に東京Vユースへ傾いていた。司令塔のU-17日本代表MF小林祐希を起点に圧倒的にボールを支配。前節4得点をマークしいてるU-18日本代表FW高木俊幸や弟でU-17日本代表のFW高木善朗が次々と相手守備網を破っていく。
 そして、11分、16分と高木俊が連続ゴール。その後も立て続けにゴールチャンスをつくり出すなど一方的に攻め続けた。だが、DFキローラン木鈴のヘディングシュートがゴールマウスに弾かれ、DF香西克哉のヘッドがゴールライン上で千葉DF大塚裕貴にクリアされるなど追加点を奪うことができない。
 すると、前半終了間際に千葉攻撃陣が突如牙をむく。40分、左SB増森慧祐のスルーパスで抜け出したFW高橋完治がGKをかわして追撃ゴール。さらに42分にはPA付近で相手のミスを見逃さずに決定機をつくり出すとFW兵藤誠矢のシュートのこぼれ球をMF佐々部凌が右足で決め同点に追いついた。

 これで俄然勢いを増した千葉U-18は後半、運動量で完全に相手を上回る。ドリブルとパスワークで打開しようとする東京Vユースアタッカーに鋭い出足から2人、3人がかりでボール奪取。そしてショートカウンターから高橋や佐々部が決定的なシュートを放っていった。気迫あふれるプレーのあまりに後半中ごろからは足を攣らせる選手が続出。勝ち越し点を狙いにきた東京Vの右SB八塚利朗に突破を許し、小林の足技や高木兄弟のスピードにあわやの場面をつくられた。
 だが、そのピンチを本来ボランチながらこの日最終ラインに入っていた沓掛勇太主将を中心に乗り越えると41分、MF成冨研蔵からのパスを受けた佐々部が個人技からクロスバー直撃のシュート。そのこぼれ球を高橋が押し込み、勝ち越した。キローラン木鈴のヘッドが再びクロスバーを叩くなど追いつけない東京Vに対し、千葉U-18はロスタイムにも敵陣でボールを奪った佐々部が鮮やかなドリブルシュートを決めて勝負あり。4-2で首位撃破を果たした。

 試合後、千葉U-18の大木誠監督は「(前半終了間際に)2点取れたことでウチに勢いが出て選手もやれると思った」。チームは毎週水曜日に系列チームでJFLのジェフリザーブズと練習試合を組んできた。当初は大量失点していたが、試合を行うたびに内容はよくなり、直近の試合のスコアは0-1。格上のチームとは思い切った試合をしておきながら、同じ高校生相手には「戦う」ことができていなかった。だが、この日は足を攣らせるまで選手は戦い抜いた。大木監督は「粘り強くやることがしっかりできた。過去2試合では足が攣るまでやった選手はいなかった。彼らは『自分を破った』と思う」と選手たちの戦いぶりに目を細めていた。
 沓掛は「2試合で10失点してつらい状況だったけど、もう一回頑張ろうと。今日は気持ちがあったと思う」。そして「高円宮杯(全日本ユース選手権)は7位まで行くことができる。勝っていきたい」と全国切符獲得へ、言葉に力を込めた。

<写真>後半ロスタイム、ダメ押しゴールを決めた佐々部中心に喜びを爆発させる千葉U-18イレブン
【特設】プリンスリーグ(U-18)2009
(取材・文 吉田太郎)

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