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[ACL]川崎FのACL男?J無得点のレナチーニョが3ゴール目

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[4.21 ACL第4節 川崎F2-1セントラルコースト 等々力]

 川崎フロンターレに“ACL男”の誕生か。FWレナチーニョがACL2戦連発となる大会通算3得点を決め、チームを勝利に導いた。1-1の後半36分、MF中村憲剛の左CKのこぼれ球を拾ったMF谷口博之が右サイドからゴール前にクロスを上げると、173mの小柄な体が宙を舞い、ヘディングで値千金の決勝ゴールを叩き込んだ。

 Jリーグでは無得点が続いているが、ACLでは3月11日の天津泰達戦(1-0)、今月8日のセントラルコースト戦(5-0)に続く今大会3点目。天津戦で自身初というヘディングゴールを決め、この試合が生涯2度目の頭での得点となった。「監督、コーチ、ジュニーニョからもヘディングをもう少しうまくなってほしいと言われていた。練習の結果、ヘディングでゴールできているのではないかと思う。利き足は頭? まだ足の方を選びたい」と笑った。

 シーズン当初は先発で起用されていたが、3月18日の浦項戦以降は途中出場が続いている。それでも「自分にできることを最大限やりたいと思っている。また先発で出るためにも結果を出さないといけないし、監督もチャンスをくれているので、その期待に応えたい」と力を込めた。

 8日のアウェー戦では5-0と大勝した相手だったが、この日はホームで大苦戦した。エースのFWマット・サイモンが出場停止から復帰したことも大きかったが、体格差を利用した激しいボディコンタクトに思うようにボールをつなげず、攻撃の形をつくれなかった。前半のシュート数はたったの2本だった。

 それでもセットプレーのチャンスを確実に得点につなげた。後半1分、MFヴィトール・ジュニオールの左FKにFW鄭大世が頭で合わせると、GKのこぼしたボールをFWジュニーニョが押し込み、先制点。後半14分に追いつかれたが、後半36分、再びセットプレーからレナチーニョが決めた。

 流れの中が難しいならセットプレーから。お手本通りの試合運びに中村は「セットプレーで2点取って勝ち切れたのはよかった」と胸を張る。長身で屈強な守備陣に手を焼いたが、セットプレーで生まれる一瞬の隙を見逃さなかった。

 ACL男の登場に、セットプレーで接戦をものにする勝負強さ。苦しみ抜いた末に手にした勝利には、ただの勝ち点3以上の価値がありそうだ。

(取材・文 西山紘平)
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