[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.3 JFAプリンスリーグ関東1部第5節 流通経済大柏高2-3前橋育英高 流通経済大柏高G]

　前橋育英高(群馬)のFW西澤厚志(3年)が公式戦初のハットトリックで流通経済大柏高(千葉)撃破の立役者となった。第一声は「びっくりしています」とおどけたが、前半15、23分と立て続けに2点を奪い、「早い時間で2点取れたので、ハットトリックを狙おうと思っていた」とニヤリ。今大会は4月19日の桐光学園戦(2-1)での1得点を含め、通算4得点。エースの自覚も出てきた。

　昨年度の全国高校選手権では2年生ながら2トップの一角を務めた。チームは初の準決勝進出を果たしたが、自身は2回戦の武蔵工大二戦(3-0)で挙げた1得点に終わり、「悔しかったし、情けなかった」と、満足のいく大会とはならなかった。

　4月には日本高校選抜のメンバーに選ばれ、ドイツ遠征に参加。「動き出しとかは通用した」と自信をつかみ、「欧州の選手は強くて速い。筋トレを意識して、もっと体を強くしないと」と課題も明確になった。

　今年はいよいよ最終学年。選手権の悔しさも、欧州遠征の経験も無駄にするつもりはない。「去年出ていた選手が引っ張っていかないと。自分が点を取って勝てば、一番気持ちいい。でも、自分もだけど、チームも大事だから」。この試合も後半22分に退場者が出て数的不利に立つと、右MFにポジションを下げ、守備にも奔走した。前線からチームを鼓舞するストライカー。ひと皮むけたエースがタイガー軍団をけん引していく。

<写真>4月には日本高校選抜として欧州遠征に参加したFW西澤厚志

(取材・文　西山紘平)