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G大阪のお株を奪うパスサッカー、浦和・エスクデロ「気持ちいい試合」

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[5.16 J1第12節 浦和0-0G大阪 埼玉]

 生まれ変わった新生浦和レッズが、パスサッカーでG大阪を圧倒した。ショートパスをつなぎながら豊富な運動量に裏打ちされた3人目の動きが加わり、分厚いサイド攻撃で翻弄。最終的にゴールは奪えなかったが、ボール支配率で完全に相手を凌駕し、シュート数も10対5。もしもサッカーに判定がれば、間違いなく浦和の「優勢勝ち」という試合だった。

 ボールポゼッションを高め、パスサッカーで爆発的な攻撃力を発揮するG大阪に、自分たちのサッカーをさせなかった。MFエスクデロ・セルヒオは「勝ち点3が取れなかったのは残念」と言いながらも「90分間支配して、レッズらしい若さあふれるプレーを見せられたし、気持ちのいい試合ができた」と充実感を漂わせた。

 MFポンテ、FW田中達也を負傷で欠きながら、20歳のエスクデロ、FW原口元気(18)、MF山田直輝(18)というトップ下に並んだ若手3人が流動的な動きで敵陣をかき回した。

 カウンター攻撃主体の個人技頼みという昨季までの浦和の姿は、もうない。自分たちが主導権を握るパスサッカーが浸透しているし、ひとりひとりの運動量が上がり、チーム全体で攻撃も守備もしているというのがピッチを見ていればよく分かる。

 「去年は回されて回されて、うちがカウンターを狙うという形だったけど、きょうは自分たちが回して回して、相手のカウンターに気を付けるという展開だった」とエスクデロは胸を張る。G大阪のお株を奪うようなパスサッカー。成長途上の赤い悪魔が自信を深めるには、これ以上ない試合になった。

<写真>浦和FWエクスデロ
(取材・文 西山紘平)

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