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トップ下で新境地、"憲剛システム"で2戦9発

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[5.28 キリン杯 日本4-0チリ 長居]

 「トップ下・憲剛」が岡田ジャパンに新たな可能性を感じさせた。MF中村憲剛(川崎F)は3試合ぶりの先発出場を果たすと、トップ下の位置に入り、運動量豊富に攻守に動き回った。高い位置からの連動したプレスでチームにリズムを生み、持ち味のロングパス、スルーパスも随所に見せた。

 「(田中)達也とか(大久保)嘉人とかがトップ下に入ったときに見ているし、ディフェンスの部分とか飛び出しはみんなやっている。それをやった上で自分なりのプラスを出さないといけない」。攻撃時には下がってボールを引き出し、前線にパスを供給。パスを出した後はゴール前に飛び出し、攻撃に厚みを加えた。

 先発出場は2月4日のフィンランド戦(5-1)以来。2月11日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(0-0)はベンチ外、3月28日の同バーレーン戦(1-0)もベンチに座ったままだった。

 過去2戦の悔しさもぶつけるパフォーマンス。後半19分にGKとの1対1でポストに当てたシュートは入れてほしかったが、岡田武史監督も「きょうのシステムは憲剛のためにやったという面もある。彼を生かすにはあのポジション(トップ下)がいいと思っていた。彼にはジェラードのイメージを持ってくれと言っている。本当に素晴らしいプレーをしてくれたと思う」と絶賛した。

 前回先発したフィンランド戦もトップ下に入り、5-1で圧勝した。中村憲がトップ下で先発した2試合で計9得点という結果は決して偶然ではないだろう。

 「フィンランド戦で初めて(トップ下に)チャレンジさせてもらって、今はどっちでもできるようにしたいと思っているし、後ろ(ボランチ)はメンバーが固まっていることを考えれば、むしろこっち(トップ下)の方が自分にとってはチャンス。自分のプラスにもなるし、どんどんチャレンジしていきたい」。新境地を開拓しつつある中村憲は意欲的に語っていた。

<写真>FKの壁に入る日本MF中村(向って右)
(取材・文 西山紘平)

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