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中澤がいないと…代役・阿部がマークのケーヒル2発

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[6.17 W杯アジア最終予選 オーストラリア2-1日本 メルボルン]

 体調不良で欠場したDF中澤佑二に代わってセンターバックに入ったDF阿部勇樹は、悔やんでも悔やみきれない様子だった。セットプレーから自分がマークしていたMFティム・ケーヒルに2得点を許し逆転負け。「セットプレー2本で…。もったいない。防げない失点ではなかった」とうなだれた。

 1-0の後半14分、MFグレラの右FKにDF田中マルクス闘莉王とFWケネディが競り合うと、闘莉王の後方からケーヒルが走り込んだ。「闘莉王が競りに行くのが見えて、自分も行くのかカバーに行くのかを考えて、カバーに行った。結果論だけど、カバーでなくてもよかった」。阿部はケーヒルのマークを外してゴール前に走ったが、ケーヒルはケネディと闘莉王を挟み込むようにして打点の高いヘディングをゴールに叩き込んだ。

 さらに後半31分にもMFカールの右CKが逆サイドに流れてくると、走り込んできたケーヒルが阿部と競り合いながらゴールに押し込んだ。「誰も触らずに抜けてきた。自分の方が先に入っていたけど、足が出なかった。一歩の足が出なかった」

 すべてが阿部の責任ではないが、やはり中澤不在の穴を感じざるを得ない。岡田武史監督就任後、中澤と闘莉王がそろって先発した試合は9勝4分の無敗で、13試合でわずか6失点。しかし、どちらか、あるいは両方が欠場した試合は7勝5分4敗と一気に勝率が下がり、16試合で13失点を喫している。

 阿部は「予選は終わりなので、きょう感じたことを今後に生かしていければ。結果は出なかったけど、やれた部分もあった」と前を向いた。W杯まであと1年。いつ、誰がケガをするかは分からない。それでも現状では、中澤と闘莉王の2人が万全の状態でW杯本大会に臨めることを祈るしかない。

<写真>コンディション不良で欠場した日本DF中澤
(取材・文 西山紘平)

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