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ラストプレーからの奇跡、川崎Fが大逆転で鹿島を撃破

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[7.29 ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎F3-0(延長)鹿島 等々力]

 ナビスコ杯は29日、準々決勝第2戦を行い、等々力陸上競技場では川崎フロンターレ鹿島アントラーズが対戦した。第1戦を0-1で落としていた川崎Fは後半ロスタイム、FWジュニーニョが値千金のゴール。2試合合計1-1に追いつき、延長戦に突入すると、延長前半4分にFWレナチーニョ、同12分にFW鄭大世が立て続けにゴールを奪い、劇的な逆転勝利で4強切符を獲得した。鹿島は国内公式戦19試合ぶりの黒星となった。

 川崎Fは4-4-2のシステムで、GK川島永嗣、4バックは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、村上和弘と並んだ。寺田周平と谷口博之がダブルボランチを組み、右に中村憲剛、左に山岸智。矢島卓郎とジュニーニョが2トップを組んだ。
 鹿島も4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹。中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチ、攻撃的な位置に本山雅志と野沢拓也が入り、2トップは興梠慎三とマルキーニョスだった。

 立ち上がりペースを握ったのは鹿島。パスを回しながらピッチを広く使って川崎Fを押し込むと、前半11分には小笠原の左CKから岩政がヘディングシュート。これは惜しくも外れたが、同14分にも小笠原のスルーパスに抜け出した興梠がGKと1対1の絶好機を迎えた。しかし、これもシュートは枠外。同21分、小笠原のFKにまたも岩政がドンピシャのタイミングで合わせたが、ここはGK川島が鋭い反応でゴールを守った。

 川崎Fは単純なミスが目立ち、チグハグな時間が続いた。ボランチに入った寺田にミスが多いこともあってリズムをつかめず、パスがなかなかつながらなかった。前半29分、中村が自らドリブルで運んで右足でミドルシュート。強烈な一撃はGKに弾かれたが、このシュートが流れを変えた。徐々にゴール前まで攻め込む時間が増え、前半44分には右クロスのこぼれ球をジュニーニョが至近距離からシュート。決定的な形だったが、体を投げ出したDFに防がれた。

 一進一退の攻防は後半に入っても変わらない。後半12分、興梠のヒールパスを受けたマルキーニョスがシュートを打つも、GK川島がセーブ。とにかく勝つしかない川崎Fは後半20分に山岸を下げてFWレナチーニョ、同24分には矢島に代えてFW鄭大世を投入し、点を取りに行った。しかし、鹿島の守備も堅く、決定的な形をつくるまでにも至らない。後半35分には村上に代えてFW黒津勝を投入。直後の後半36分、中村の左足の弾丸ミドルもGKの正面に飛んだ。

 鹿島も効果的なカウンターでチャンスをつくった。後半39分にはゴール前に小笠原がするすると抜け出し、決定的なチャンスを迎えたが、シュートを右に外してしまう。試合を決めてしまう決定機は何度もあった。しかし、ゴール前の精度を欠き、ダメを押せずにいると、後半ロスタイムに悪夢が待っていた。

 表示されたロスタイム4分が経過した後半49分、PA内の右サイドでジュニーニョがボールを持つと、タメをつくって相手を揺さぶり、右足でシュート。対峙した岩政の脇を抜く鋭いひと振りはゴールニアサイドを破り、川崎Fがラストプレーで鹿島の牙城を崩した。

 2試合合計1-1となり、試合は延長戦にもつれ込んだが、流れは完全に川崎Fに移った。延長前半4分、ジュニーニョの左クロスにファーサイドから走り込んだレナチーニョが技ありヘッドをゴールに流し込み、ついに川崎Fが逆転。さらに同12分、今度は鄭の左足ミドルがゴールネットに突き刺さった。延長後半3分に菊地が決定機阻止で一発退場となったが、残り時間を10人でしのぎ切り、終わってみれば2試合合計3-1。川崎Fが大逆転で準決勝進出を決めた。

<写真>延長前半12分、川崎F・FW鄭の駄目押し点を喜ぶ選手たち
(取材・文 西山紘平)

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