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[高校MOM_56]大津MF藤崎裕太(3年)_脅威のドリブラー

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.6 全国高校総体準々決勝 玉野光南 0-2 大津 大淀町平畑運動公園]

「相手のサイドがウイング的な役割をしていたので、その裏を突こうと徹底して狙いました」。その言葉通り、大津(熊本)MF藤崎裕太は立ち上がりから右サイドでボールを持つと、ひたすらに突破を試みた。初速が速く、かつ繊細なボールタッチで、一気にサイドをえぐって行くドリブルに、玉野光南は完全に後手に周った。

「1対1では負ける気がしない」。そう言い放つ藤崎のドリブルからは自信がみなぎっており、それが迫力となって表に表れている。その姿勢が一番現れたのが、後半11分のゴールシーンだった。右サイドを突破したU-18日本代表候補FW松本大輝の横パスを受ける際、DFと1対1になったと判断するや否や、ファーストタッチからボールを斜め左方向へ出し、一旦中へ行くと見せかけて、DFの重心が左に移った瞬間、右アウトサイドでボールを左に運び、バランスを崩したDFの“裏街道”を華麗に駆け抜けて鋭角の位置から逆サイドネットへ正確なシュートを突き刺した。

「DFが飛び込んでくると思ったので、ファーストタッチで呼び込んで裏を狙おうと思った。イメージ通りです」と、まさにしてやったりのゴールだった。「まずは全国制覇をしたい。そうすれば(決勝進出で出場権を手にする)高円宮杯は後から付いてくる」と言い切る彼の視線の先には、真夏の奈良の頂点をしっかりと見据えていた。

<写真>相手DFを翻弄、ゴールも決めた大津・藤崎(右)
(取材・文 安藤隆人)
高校サッカー・09全国高校総体特集

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