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浦和、リーグ戦5連敗。闘莉王「きょうは勘弁して」

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[8.19 J1第22節 浦和1-4柏 埼玉]

 浦和レッズは518分ぶりにゴールをこじ開けたが、守備が破綻し、リーグ戦5連敗。ナビスコ杯を含め公式戦6連敗を喫した。

 「守備のとき、1対1の状態を長い時間、耐えることができなかった。運動量がなかった。メンバー変更が影響? 私も関係していると思っている。坪井、鈴木、山田直輝を欠いた。きょうのメンバーからは運動量の問題があった」

 フィンケ監督は、チーム全体が運動量不足だったため、守備が崩壊したと説明した。DF坪井慶介、MF鈴木啓太が出場停止で、MF山田直輝がけがで欠場。代わりに腹直筋の肉離れが完全ではないDF田中マルクス闘莉王がCB、負傷明けのMFポンテが右MF、DF堀之内聖がボランチに入る4-4-2布陣で戦った。

 攻撃ではボールを支配。2失点こそしたが、前半は完全に浦和ペースだった。前半38分、ポンテの右CKから闘莉王がヘディング弾を決めて1-2と迫った。浦和にとってはナビスコ杯を含めると7月15日のナビスコ杯・清水戦の後半15分以来、実に6試合ぶり、518分ぶりのゴールだった。なおも、浦和ペースで試合が進み、後半の同点、逆転も予想させる内容だった。

 しかし後半、運動量ががくっと落ち、ルーズボールを拾われた。そして、カウンターを食らう。FWフランサの3点目、MF大津の4点目は、いずれも相手の速攻を食い止められずに失点した。「ほんとは中盤が走って戻り、サポートするべきだが、それができなかった」とフィンケ監督はうなだれた。

 たしかに指揮官の言う通り、けがや出場停止などでなかなかベストメンバーが組めず、難しい状況を迎えている。ただ、采配の問題もあったのではないか。後半開始から右SBの山田暢久に代えてMF梅崎を右MFで投入。これにより左SBの平川が右SBへ、ボランチの細貝が左SBに入った。ボランチにはポンテが入った。

 ボランチは守備が得意な2人から、守備ができるのは堀ノ内一人になってしまった。守備の得意な細貝がSBに回ったことで、中盤の競り合いで少しずつルーズボールが拾えなくなり、ラインが間延びした。

 極めつけは後半28分だ。平川に代えてFWエスクデロを投入。右SBには、ほとんど経験がないという梅崎を下げ、エスクデロをFWに近い右MFへ入れた。指揮官としては人数をかけて攻勢に出たつもりだったが、3失点目は1分後、4失点目は後半40分に生まれた。

 特に大津に決められた4失点目は、梅崎のサイドから。他の選手はあきらめたのか、みんな足を止め、後ろから追いかけるものはほとんどいなかった。梅崎は「サイドバックは、ユースのとき以来かな。久しぶりでした。DFをしっかりやることを考えたけど・・・。やれといわれるところをやるだけです」と元気がなかった。

 ゴールを決めた闘莉王は「きょうは、勘弁して」と敗戦のショックから言葉すくなだった。浦和イレブンの表情からはショックの色が大きかった。順位も7位に後退した。連戦が続くが、いち早く“泥沼”から脱出したい。

<写真>浦和DF闘莉王
(取材・文 近藤安弘)

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