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公式戦初先発GK杉山零封!川崎Fが決勝進出へ前進

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[9.2 ナビスコ杯準決勝第1戦 川崎F 2-0 横浜FM 等々力]

 Jリーグヤマザキナビスコカップは2日、準決勝第1戦を行い、川崎市の等々力競技場では川崎フロンターレと横浜F・マリノスが激突。川崎Fが2-0で勝ち、決勝進出へ大きく前進した。準決勝第2戦は6日に行われる。

 日本代表オランダ遠征によりMF中村憲剛とGK川島永嗣が不在の川崎FはGKに公式戦初先発の22歳、杉山力裕を抜擢。4-3-3システムの4バックは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、村上和弘。中盤は寺田周平が下がり目のポジションを取り、谷口博之と養父雄仁がその前に構えた。3トップは右からレナチーニョ、鄭大世、ジュニーニョが並んだ。
 一方、DF中澤佑二を欠く横浜FMも4-3-3システム。GKは飯倉大樹で4バックは右から田中裕介、栗原勇蔵、松田直樹、小宮山尊信。中盤は河合竜二をアンカーに右・小椋祥平、左・兵藤慎剛のトリオ。前線には右から山瀬功治、渡邉千真、坂田大輔が並んだ。

 決勝進出をかけた「神奈川ダービー」は耐えた川崎Fが先勝した。序盤から敵陣に押し込んだのは、アウェーの横浜FMの方。中盤の運動量が多く、アタッキングエリアまでミスなくボールを運んでいく。ただ、ラストパスの精度を欠き、最終ラインに近い位置で守る寺田ら川崎Fの守備陣を切り崩せない。一方、中村不在の川崎Fは相手の攻撃を跳ね返すものの、そこからのビルドアップに苦戦。前線に効果的なボールが入らず、セカンドボールも拾えない時間が続き、相手ゴールに近づけなかった。

 それでも15分、川崎Fは1チャンスをものにして試合をリードする。右サイドの高い位置でボールを持った森が中央へ切れ込みながら左足でシュート性のクロス。ニアサイドに飛び込んだ鄭が右足でコースを変える技ありシュートで先制した。
 このゴールで勢いに乗った川崎Fは狭いスペースを通すパスがつながりだし、村上、ジュニーニョがミドルシュートへ持ち込むなど攻勢に出る。だが、24分に菊地が大腿部を痛めて途中交代すると、流れは再び横浜FMへ。左サイドを抜け出した坂田の左足シュートや兵藤、河合のミドルが川崎Fゴールを襲った。

 だが、川崎Fは初先発の杉山が確実にコースに入りシュートストップ。得点を許さない。猛攻を仕掛ける横浜FMは、後半開始6分間で6本のシュートを打ち込むが、DF伊藤の身体を張ったブロックなど、川崎Fの堅い砦は崩れなかった。
 山瀬の右足ミドルなどシュートを打てどもゴールが遠い横浜FM。対してほとんど攻め手のなかった川崎Fの高い決定力が、勝負の行方を自らへ傾ける。17分、村上の左アーリークロスをファーサイドのジュニーニョが高い打点のヘディングシュートで押し込み2-0とした。
 横浜FMは直後に狩野健太と長谷川アーリアジャスールを投入。さらに24分には193cmの長身アタッカー・金根煥もピッチへ送り出し、何とかアウェーゴールを取ろうとするが、横山知伸をボランチへ入れて寺田を最終ラインへ落とした川崎Fの守りはまさに鉄壁。最後まで集中して相手のシュートを跳ね返し続け、2点リードで180分間勝負の前半戦を終えた。

<写真>川崎F・FW鄭
(取材・文 吉田太郎)

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