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緊急提言!「新戦力のテストと俊輔抜きの戦い方を」

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 日本代表合宿が6日から始まりました。ここで選手たちがもう一度、“岡田サッカー”のコンセプトを確認し、チームとしての成熟度を上げて試合に挑むわけですが、W杯での成功に向け、今回の“3連戦”をどう活かせばいいのか、何をしたらいいのか-。6日、7日は専門家、本サイト記者の提言も掲載いたします。

フットボールアナリスト・田村修一の「提言」

 岡田武史監督も以前述べたように、ここまで作りあげてきたチームと既存の選手たちのレベルアップと、新しい選手をテストしての選手層の拡大。異なるふたつの目的を、どうバランスよく追求していくか。9月のオランダ遠征では、森本貴幸の負傷による辞退もあり、前者に重点が置かれた。
 
 既存の選手、既存のチームに、世界レベルの経験をさせる。対戦相手の本気度も、日本国内でやる彼らにとってのアウェーゲームとはまったく違う。それでもオランダは、練習感覚が抜けなかったが、ガーナは少なくとも7~8割の力は出していただろう。ワールドカップレベルを肌で感じるという意味では、オランダ遠征は貴重な経験であった。
 
 一方、10月に来日するスコットランドとトーゴは、恐らく彼らの持てる力の6割程度、場合によっては発揮するのは半分以下かも知れない。そんな相手に対して、どんなテストが可能か。
 
 ひとつはもちろん、オランダ遠征では十分にできなかった新戦力のテストである。本田圭佑は自分のプレースタイルを、代表のスタイルにうまく合わせられるのか。森本はイタリアで伸ばした自分の良さを、このチームでも発揮できるのか。層の薄さと個の弱さが浮き彫りになったセンターバックを、質・量ともにあげることができるのか…。

 もうひとつ、今回の連戦で期待したいのは、戦力の均質化である。岡田監督は、チームコンセプトの重要性と選手への浸透を、ここまでずっと重視してきた。だが、ピッチ上の現実--特に攻撃面においては、中村俊輔遠藤保仁の個の力が頼りで、俊輔がいないと、効果的な攻撃を構築できない。
 
 コンセプトが本当にチームに浸透しているなら、誰が出てきても同じ力を維持できる。少なくとも理屈の上ではそうである。ならば俊輔や遠藤抜きで、どれだけ岡田スタイルのサッカーを実践できるのか。ワールドカップ本番では、そうした事態も当然想定できる。
 
 追求するスタイルと方向性の先に、ワールドカップベスト4がある、というのが岡田監督の考え方である。それは間違いではない。ただし、現状と目指す到達点との間には、まだまだ大きな隔たりがある。
 
 どこかでブレイクスルーは必要。そのためには、まだ試行錯誤も失敗も許される。われわれが今、日本代表に望むのは、結果よりもワールドカップに向けての可能性であり、どれだけわくわくさせてくれるかである。スコットランドやトーゴとの戦いでも、そこを期待したい。

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