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[天皇杯]讃岐はJFL昇格へ“正攻法”を貫いた

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[10.11 天皇杯2回戦 F東京4-0カマタマーレ讃岐 味スタ]

 カマタマーレ讃岐は、気持ちよく散った。0-4と結果は完敗だったが、格上を相手にしても自らのパスサッカーを貫いた。金星欲しさにロングボールやカウンター戦術を敷く方法もあるが、“正攻法”で勝負した。

 「悔しいですね。最後まで自分たちのサッカーができなかった。ただ、戦えないことはないと思った。自信を持っていきたい。この試合を全国社会人選手権につなげたい」

 羽中田昌監督は悔しさを浮かべるとともに、貴重な経験が積めたことをプラスにとらえた。同監督はスペイン留学の経験があり、スペイン流の攻撃サッカーを標榜。システムも4-3-3で、中盤は逆三角形にしている。下部リーグではどんな形であれ勝ち点3を積んで上のリーグに進むためにカウンターサッカーをするチームも多いが、カマタマーレ讃岐は細かいパス回しでビルドアップし、チャンスと見るや一気に攻撃のスイッチを入れる。

 この日もそのサッカーを貫いた。だが個人差は歴然で、自分たちのサッカーが出来なかった。疲労もあって、前線からのプレスが利かない。パス回しも封じられた。主将のDF下松裕は「相手の雰囲気に飲まれたところがあった。自分はそうではなかったが、チーム全体として飲まれた。声でうまく鼓舞できなくて残念。やっぱりビルドアップのところで差を感じた。ミスをすると、すぐにやられる。精度を上げていかないといけない」と振り返った。

 カマタマーレ讃岐は、四国社会人リーグのチームで将来のJ参入を目指している。8日にリーグの最終戦・徳島ヴォルティス・セカンド(J2徳島の下部組織)戦を終え、くしくも2位。JFL参入をかけた全国地域リーグ決勝大会に進めなかった。だが、今月17日から行われる全国社会人選手権で上位2位に入れば、同決勝大会に“敗者復活”できる。

 「リーグ戦は残念でしたが、まだ全国社会人選手権がある。だから、FC東京さんとの試合は大事だった。惜しいで負けるのではく、次につながる試合をしようといった」と羽中田監督。“正攻法”で戦ったほうが自分たちの実力をしっかりと測れ、課題が浮き彫りになる。悔しい思いはしたが、この経験は必ず次へのステップにつながるはずだ。

(取材・文 近藤安弘)

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