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[天皇杯]福島Uの青柳と内藤は“宿敵”にリベンジならず

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[11.1 天皇杯3回戦 横浜FM4-1福島ユナイテッドFC 日産ス]

 悔しさとふがいなさでいっぱいだった。2回戦でC大阪を撃破した福島ユナイテッドFCには、2試合連続のジャイアントキリングが期待されたが、元平塚、水戸のDF時崎悠のヘディングシュートの1点がやっと。イレブンはがっくりと肩を落としたが、特にこの2人は人一倍の悔しさを浮かべた。

 DF青柳雅信とGK内藤友康だ。青柳は筑陽学園出身で、03年の第82回全国高校選手権の準優勝メンバーだが、決勝で0-6大敗という苦杯をなめさせられた相手が、国見高の当時2年生で今では横浜FMのエースに君臨するFW渡邉千真だった。その試合、3年生だった青柳はCBで先発。当時3年生で怪物といわれたFW平山相太に2得点され、渡邉にも2得点された。

 青柳は「おぼえていますよ。平山に2点、渡邉に2点取られてるんです。(対戦を)すごく意識しました。(同世代の2人は)自分の物差しです」と意気込んでいた。しかし、その渡邉に1失点・・・。「J1のFWだなという動きをしていた。悔しいです」と話し、今後の成長の肥やしとすることを誓った。

 内藤は横浜FMのジュニアユース追浜出身で、この日の横浜FMの先発GKを務めた飯倉大樹は同期生だった。当時は飯倉がレギュラーで、内藤がPK職人としてサブに控えていた。01年の高円宮杯全日本ユース神奈川県予選準々決勝の横浜FMジュニアユース新子安戦では、飯倉が先発し、PK戦で内藤が2本止めて勝ったという“逸話”もある。

 飯倉はユースに昇格し、内藤は日大藤沢高へ。そして高校卒業後、飯倉はトップ昇格を果たし、内藤は名古屋に入団した。しかし、レギュラーを奪うことはできず、内藤はその後、福岡、山形を経て今季から福島に加入した。

 そして、かっての戦友と運命的な“再戦”を果たした。それも場所は日産スタジアムだから、思いは格別だ。内藤は「(対戦が決まってから)飯倉と電話して対戦が楽しみだねとか、話をした。とにかく、すごく意識していました。J1の攻撃陣は寄せが速かったり、球際が強いと感じた。今後に生かしたいですね」と話し、4失点に悔しそうにしていた。

 青柳も内藤も“リベンジ”は果たせなかったが、自分を再び成長させるうえで貴重な90分間となった様子。福島ユナイテッドFCは東北社会人リーグ1部の所属で今季はJFL昇格を逃したが、来季以降、再びJFL昇格、そしてJ2、J1を目指すクラブだ。近い将来、Jの舞台でリベンジを果たすことを夢見て、2人は精進を続ける。

<写真>試合後、横浜FM・GK飯倉と健闘を称え合う福島U・GK内藤(31番)
(取材・文 近藤安弘)

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