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[高校MOM97]西武台MF三浦大輝(3年)_注目司令塔が6発もたらす

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 第88回全国高校サッカー選手権埼玉県大会準々決勝 西武台 6-0 伊奈学園 熊谷]

 ボールを持つと「何かを起こしそうな」期待をさせてくれるテクニシャンだ。西武台の10番を背負うMF三浦大輝(3年)は1本のパス、ドリブルで局面を変えることの出来る生粋の司令塔。この日は1-0の前半ロスタイムに右サイドを駆け上がったSB楠本一彦(3年)へスルーパスを通し、FW佐瀬達也(3年)のゴールを演出すると、後半14分には中央から思い切ったドリブル突破。ラストパスを警戒するDFを次々とかわしていくと「自分で打つつもりだった」とそのまま右足シュートをゴール右隅へと沈めた。

 相手が後半3分に退場者を出し、マークが緩かったことは間違いない。だがこの後も三浦のパスが立て続けにゴールを生み出す。26分には右サイドのFW阿部祐希(2年)へピンポイントで展開。これがMF永吉和紀(3年)の5点目につながると、締めは28分だ。佐瀬へ送った絶妙なスルーパスで相手DFを無力にし、6点目を導き出した。

 今春までは三浦頼みのところがあったチームは、攻撃の起点を封じられると窮地に陥った。ひとりで仕事をする一方で運動量の少ない三浦にも原因があった。だが、運動量が豊富な永吉和紀と楠雄樹(ともに3年)が台頭してボランチに定着したことで、トップ下の三浦はより攻撃に専念できる環境となっている。ただ本人も認めるように三浦の運動量はまだまだ少ない。守屋保監督も「徐々によくなっているけど、ボランチの2人と同じくらいに運動量が出てくれば。そして自分のリズムをつかんで、もっとやってもらいたい」と要求する。

 Vへのキーマンは「2年のときは(県大会)1回戦で負けてしまった。今年は絶対に勝ち上がって行く」。中学時代(クマガヤSC)、一緒に世界大会(マンチェスター・プレミアカップ、ナイキプレミアカップで全国優勝し出場)を戦った現草津のMF佐藤穣が憧れの存在。昨年度の選手権で前橋育英を全国4強へ導いた先輩のように高校生活最後の大会で全国で輝くため、運動量を増やしながらチームにより多くのゴールと勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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