beacon

[仙台カップ]U-19日本、後半シュート13本もスコアレスドロー(U-19日本vsU-19フランス)

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.14 仙台カップ国際ユースサッカー2008第2節 U-19日本代表 0-0 U-19フランス代表 ユアスタ]

 仙台カップ国際ユースサッカー大会は14日、第2節の2試合が行われ、U-19日本代表はU-19フランス代表と対戦。日本は後半だけで13本のシュートを放ったが決めきれず0-0で引き分けた。

 U-19ブラジル代表との初戦(11日)はシュート4本に終わり0-2で敗戦。優勝するために勝ち点3の欲しい日本は、左SBに酒井高徳(新潟ユース)、左MFに鈴木惇(福岡)、中盤中央のポジションにMF青木拓矢(大宮)と初戦でサブ組だった3選手を先発で起用した。4-4-2システムの構成はGKが権田修一(F東京)、4バックは右から鎌田翔雅(湘南)、村松大輔(Honda FC)、金井貢史(横浜FM)、酒井。中盤中央に青木と山本康裕(磐田)が並び、右MFが水沼宏太(横浜FM)で左MFが鈴木。2トップは宮澤裕樹(札幌)と遠藤敬佑(水戸)がコンビを組んだ。
 
 その日本は前半シュートを1本も打つことができないまま45分間を終えてしまった。登録選手全員が日本よりも1歳年下の実質“U-18”フランス代表にボランチから前線、サイドへ入るボールを狙われて奪われた。ミスも少なくはなかった。ただ決定的な場面を全く作ることができなかったブラジル戦よりはスタンドを沸かせていく。
 山本を基点に両ワイドへボールを展開し、31分には山本の好パスを受けた鈴木がスピードのあるライナー性の好クロスを放り込む。36分、42分にも鈴木からのクロスがあわやの場面を作り出した。またブラジル戦では1対1、もしくは2対1の状況でも個人の突破に守備網が打開されていたが、この日は前半途中から左SBに入った鎌田らが相手アタッカーを粘り強く封じ、連係面も整備されて無失点。同じく、相手にシュートを1本も打たせないまま前半を乗り越える。
 
 シュート数0-0で終わった前半から後半は互いのDFのほころびを突いてともに得点機を作り合った。フランスは1分に右クロスにMFジョシュア・ギラヴォギ(サンテティエンヌ)が飛び込み、直後の2分にはFWマガイェ・ゲイエ(ストラスブルグ)がGKとの1対1のチャンスを迎えた。さらにバイタルエリアで前を向いた2列目の選手からのスルーパスで決定的なチャンスを作り出す。ただ、日本はGK権田が好守を連発。主将の気迫十分のセーブでリードを与えない。
 逆に後半から遠藤、酒井に代え、FW柿谷曜一朗(C大阪)、右SB高橋峻希(浦和ユース)を投入していた日本も運動量の落ちたフランスからチャンスを次々と作りだす。6分には中盤でボールを奪った青木がドリブルで駆け上がりミドルシュート。前線で柿谷と宮澤がくさびとなり、山本、青木のパスから好機を得た日本は9分、鈴木の右FKをファーサイドで完全にフリーとなった村松が決定的なヘディングシュートを放つ。
 ただ、これがゴール枠をとらえきれないなど、フランス同様に日本も決めきることができない。14分には左サイドでオーバーラップした鎌田のスルーパスに柿谷が反応するがシュートはGKレミ・ピヨ(ナンシー)に阻まれ、21分に右サイドから切れ込んだ水沼の左足シュートもGKの正面を突いた。それでも23分に右サイドから切れ込んだFWエマニュエル・リヴィエール(サンエティエンヌ)のシュートや、30分にフレデリック・ビュロ(モナコ)がゴール至近距離から放ったシュートなど個の力を活かして得点を奪いにいったフランスの攻撃は権田がビックセーブで封殺。フランスのジャン・ガリス監督も評価した権田の奮闘で相手をノーゴールに抑えた。

 1点勝負となった試合終盤、日本は35分にMF河野広貴(東京V)、40分にFW永井謙佑(福岡大)を送り出し、0-0の“撃ち合い”に決着をつけにいった。だが、36分にPAへ侵入した河野の決定的なシュートは枠の外。その後の柿谷、永井、山本と相手DFを崩してからのシュートも全て精度を欠き、スコアレスドローで試合を終えた。U-19日本代表・牧内辰也監督は「前半は体が重くて消極的なプレーになった。ただ後半は勢いをもってチャレンジもした印象だ。勝ちにできなかったことに関しては残念だが、前向きにトライしてくれたことは良かった」と評価していた。ブラジル戦で欠けていた積極性で勝利を得てもおかしくのない試合を演じた日本。勝ちきれなかったが、闘志を前へ出してプレーし続けたことは、今後上昇のきっかけになりうる迫力のある試合でもあった。
 
<写真>U-19日本代表・青木(左)がフランスFWリヴィエールと激しくボールを奪いあう
(取材・文 吉田太郎)

TOP