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[大学選手権]10人の中央大が逆転劇で高知大を撃破!!

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[12.23 全日本大学サッカー選手権準々決勝 中央大 3-2 高知大 西が丘]

 23日行われた全日本大学サッカー選手権・準々決勝。10人体勢で苦戦を強いられた中央大(関東4)が、数的不利をものともせずに「全員サッカー」で高知大(四国)とのシーソーゲームを3-2で制し、来年1月7日の準決勝に歩を進めた。

 先制したのは前半16分、中央大だった。右サイドからのクロスをFW小池悠貴(4年=甲府商)が頭で押し込みあっさり1点。するとその直後の同17分、今度は高知大がFW出井正太郎(4年=宇和島東)のヘディングゴールで試合を振り出しに戻す。そして、一進一退の攻防が続いた前半23分に"事件"は起きた。高知大の攻撃時、右サイドからのスルーパスに飛び込んだFW石川雄太(4年=川之江高)に対し中央大GK小野博信(3年=韮崎高)がPA内で危険なセービングを見せ、一発退場の判定を受ける。その後のPKでMF三浦功司(4年=北海高)に決められた中央大はアッという間に逆転されてしまう。
 「たしかに退場は不運でしたが、あれでチームの気がキュッと引き締まった」。先制点を決めた小池がそう語ったように、10人と数的不利を強いられた筈の中央大だったが、その後は2トップを1トップに替えた4-4-1の布陣で高知大に猛攻を仕掛けた。完全にスイッチが入った中央大は、後半6分に貴重な同点弾で試合を振り出しに戻す。左サイドからクロスが入るとファーサイドのDF比嘉隼人(4年=国見)が折り返し、ゴール前の南木享(4年=帝京)が鮮やかなヘディングシュート一閃。2-2とし、試合はそのまま延長戦へ突入した。
 「最後は気持ちだからな」。延長戦に向う選手を中央大・佐藤健監督はそう送り出した。そして迎えた延長後半7分、劇的なドラマが起こる。左サイドから出た浮き球パスをDF山形雄介(4年=FCみやぎ)がゴール右前に繋ぎ、最後は先制弾を決めた小池がヘディングシュートを叩き込み、シーソーゲームに終止符を打った。「数的には劣勢だったが試合中は選手たちを信じ、任せた」という指揮官の気持ちに、「負ける気などさらさらなかった」と気を吐いた小池が確実に応えてみせた。110分の殆どを10人で戦いぬいた中央大が、まさかの逆転劇で締めくくり準決勝進出。そして今日のヒーロー・小池は、「次は(警告累積で)試合に出られないが、皆に意志を託してバックアップしたい。そして決勝に出たら、また自分で決めてチームに貢献します」。この試合で得た自信を胸に選手権の優勝を見据えた。準決勝・九州産業大戦は1月7日に平塚競技場で行われる。

<写真>延長後半7分に、この日2得点目となるゴールを決めた小池悠貴(4年=甲府商)

(取材・文 山口雄人)

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