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[女子W杯]思い描いた試合できず(日本vsアルゼンチン)

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[9・14 07年中国女子W杯グループステージA組第2戦 日本女子 1-0 アルゼンチン女子 上海]

 日本が苦しみながらも決勝トーナメント進出への望みをつないだ。0-0で迎えた後半ロスタイム、日本は途中出場のDF近賀が強烈な右足シュート。GKが前にこぼしたところをFW永里が右足で押し込んだ。
 
 劇的な勝利ではあったが、目標である決勝トーナメント進出を自ら遠ざけるような苦しい試合内容だった。アルゼンチンは前回大会で6-0で勝っている相手。さらに今大会の開幕戦ではドイツが11-0で叩きのめしていた。大量得点を狙って試合開始から相手ゴールへと襲い掛かった日本は、前半3分に左MF宮間の左クロスに飛び込んだMF安藤が左ポスト直撃のシュート。さらに32分にはMF澤が左サイドでふたりをかわしてゴール前へ切れ込む。後半には永里や近賀が強烈なシュートでゴールを襲った。
 ボールを持っている時間、チャンスの数でも完全に相手を上回っていた。だが、攻撃機会を与えずに攻め続けていたにも関わらず、プレーが雑だったり中途半端でチャンスを逃す。まるで危機感が欠如しているかのようなボールの取られ方も多かった。中2日で試合に臨んでいたことも影響してか運動量が全くなく、判断面も悪かった。試合後、MF澤が「自分たちのサッカーができなかった。フラストレーションだった」とうつむいたほど。思い描いた内容とは程遠かった。17日のグループステージ最終戦まで中2日と厳しい日程だが、ここで終わらないために、修正するしかない。
 
 最終戦の相手は前回大会優勝のドイツ。アルゼンチンとの試合を最少得点に終わったことで、イングランドとの得失点差勝負となる可能性が高い決勝トーナメントへの進出は苦しくなった。その中でイングランド戦、アルゼンチン戦とミスが多く状態の上がらない日本は逆境を乗り越えることはできるのか。2試合連続で後半ロスタイムに劇的なゴールを奪っている日本は、望みを捨てずに、90分間決してあきらめずに、女王に食らいついていくしかない。

(文 吉田太郎)

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