[11.4 AFC U-19選手権 U-19日本代表 1-1 U-19サウジアラビア代表 サウジアラビア]
　
　U-19日本代表は4日、09年U-20W杯(エジプト)の出場権を懸けたAFC U-19選手権サウジアラビア2008グループリーグ最終戦で開催国のU-19サウジアラビア代表と対戦。後半12分に先制されたが、同20分にMF水沼宏太(横浜FM)が同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。2勝1分の日本は同成績のサウジアラビアを得失点差で上回り、グループリーググループA首位が決定。8日に、勝てばU-20W杯出場が決まる準々決勝(対戦相手はグループB・2位の韓国)を戦う。

　2戦2勝ですでに決勝トーナメント進出を決めていたU-19日本代表は、4-2で勝ったイラン戦から先発7人を入れ替えて試合に臨んだ。システムはこれまでの4-4-2から4-5-1へ変更。GKは松本拓也(順天堂大)で4バックは右から吉田勇樹(川崎F)、村松大輔(Honda FC)、薗田淳(川崎F)、鎌田翔雅(湘南)。中盤の底の位置に下田光平(F東京)と香川真司(C大阪)が入り、右MFが水沼、左MFが鈴木惇(福岡)、トップ下に木暮郁哉(新潟)が入った。1トップは遠藤敬佑(水戸)。村松、鎌田、香川、水沼以外はイラン戦でサブ組だった選手の先発となった。

　同じく決勝T進出を決めているサウジアラビアもイエメンとの第2戦から先発4人を入れ替えてきた。前半は互いにリスクを負わずシンプルな戦いに。日本は相手の素早い潰しに前線でボールが収まらず、チャンスを作れない展開が続いた。
　それでも中盤中央の位置で果敢に仕掛ける香川が鋭いドリブルで相手を切り裂いていく。得点には絡めなかったが、好位置でファウルを得るなど相手DFの脅威となった。日本は11分に木暮の右足FKがゴールを捉え、18分には右サイドから反転を交えたドリブルで切れ込んだ香川からチャンスが生まれ、水沼の左足シュートがゴールをポストをかすめる。
　中盤のミスからFWハッサンら相手アタッカーにゴールへ迫られる場面もあったが、厳しい守備を見せる村松と薗田のCBコンビらが決定的なシュートを打たせずディフェンスは安定。前半を0-0で終えた。

　迎えた後半9分、日本に最初のビッグチャンスが訪れる。後方からのフィードを遠藤が競り勝つと、走り込んだ水沼が決定的な左足シュート。だが、これはゴール左ポストを叩き得点できない。すると直後の12分、サウジアラビアの右サイドからのロングスローに対して、日本守備陣が中途半端な対応。ファーサイドのMFアルカーニのダイレクトシュートがゴールポストを叩く。そのこぼれ球をアルカーニに押し込まれ、日本は今大会初めて先制点を奪われた。

　だが、日本は20分、この試合キャプテンマークを巻くMFの一撃で試合を振り出しへと戻す。右サイドの水沼からパスを受けた香川がドリブルで駆け上がり、右前方へスルーパス。ここへ走り込んだ水沼が右足を振り抜くと、強烈なシュートがゴールへと突き刺さった。これで日本イレブンの集中力も増した。26分に右クロスからハッサンに決定的な右足ボレーを放たれるが、松本がスーパーセーブで勝ち越しゴールを許さない。
　同20分から投入されていたFW宮澤裕樹(札幌)のポストプレーや36分から起用されたMF河野広貴(東京V)のドリブル突破など勝ち越しゴールを狙った日本。3連勝へ1点を奪いにいったが、相手DFを崩すには至らず。1-1で引き分けた。それでも最激戦区と目されたグループA首位を奪い取った日本。逞しい戦い振りを見せるイレブンは、4日後に世界切符を懸けた大一番に臨む。

<写真説明>同点弾を決めた水沼(左)と祝福する木暮

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(文　吉田太郎)