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[ACL]1得点1アシストの遠藤は気緩めず、「サッカーは何が起こるか分からない」

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[11.5 ACL決勝戦第1戦 G大阪3-0アデレード・U 万博]

 MF遠藤保仁の1得点1アシストの活躍で、ガンバ大阪がアジアの頂点に限りなく近づいた。4-2-3-1のトップ下に入った遠藤がタクトを振るい、チームの攻撃を操った。前半37分、遠藤が「かなり大きかった。あれで流れが来た」と言うFWルーカスのゴールで先制すると、同43分には自らの左足で追加点を奪った。MF佐々木勇人が敵陣でパスをカットし、ルーカスにつなぐ。「ルーカスに渡ったとき、僕はフリーだったし、ルーカスがいいボールをくれた。トラップさえ決まれば、ゴールできると思っていた」。PA内左から左足でゴール右隅に流し込むと、絶妙なコースに相手GKは一歩も動けなかった。

 後半立ち上がりは、前半のサッカーから一変させたアデレード・Uのプレッシャーに苦しみ、チーム全体でミスが目立つなど劣勢を強いられたが、「あそこで失点しなかったのがよかった」(遠藤)と守備陣が耐え抜き、その後はスペースが広がったピッチでG大阪の持ち味が生きた。後半23分には左CKのチャンスで「最初は普通に上げようかなと思ったけど、安田がフリーだったから」とフワリと浮かしたボールをペナルティーアーク付近に上げ、DF安田理大が右足ダイレクトボレーで3点目を奪った。「あれはよく決めてくれた。練習でやってなかったけど、本番で決まればオーケー」。遠藤のとっさの判断が、決定的な3点目につながった。

 タイトルをほぼ手中におさめたと言ってもいい3-0の圧勝。それでも遠藤の表情に笑顔はなかった。「うれしく思うけど、まだ半分終わっただけ。また次に向けてやっていきたい」と気を引き締める。「優勝に大きく前進したのでは?」と聞かれても「確かに前進はしたけど、サッカーは何が起こるか分からない」と力を込めた。喜ぶのはすべてが終わってから。まだ何も成し遂げていないことを、遠藤は最後まで強調した。

<写真>2点目を決めたG大阪MF遠藤
(取材・文 西山紘平)

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