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[FCWC]クラブワールドカップ開幕戦は初出場のアデレードが勝利!!

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[12.11 FCWC アデレード・U2-1ワイタケレ・U 国立]

 FIFAクラブワールドカップが11日開幕し、東京・国立競技場ではアデレード・ユナイテッド(開催国枠・アジア2位/オーストラリア)とワイタケレ・ユナイテッド(オセアニア代表/ニュージーランド)が対戦した。オセアニア勢対決となった開幕戦は、大会初出場のアデレードが2-1でワイタケレに勝利。ワイタケレは昨年に続き開幕戦で姿を消した。アデレードは14日、豊田スタジアムでガンバ大阪と準々決勝を戦うこととなった。

 FCWC初出場のアデレード・Uは、得点源のブラジル人FWクリスティアーノをトップに据え、オーストラリア代表のクリスティアン・サーキーズ、キャプテンでACL3得点のトラビス・ドッドを中盤に置いた4-2-3-1の布陣。
 一方、07年に続き2度目の出場となるワイタケレ・Uは4-4-1-1。コーチ兼選手を務める37歳のベテラン・ニール・エンブレンをDFの中心に置き、OFCチャンピオンズリーグ4得点のアラン・ピアースを中盤での攻撃の要とした。前線は、チーム屈指のハードワーカー・ダニエル・コプリブチッチとフィジー代表のストライカー・ロイ・クリシュナが張った。

 試合はまずアデレードがリズムを掴んだ。ワイタケレは中盤でのプレスが遅く、アデレードはボールをじっくりと回しながら有利に試合を進めた。前半8分、左サイドを突破した左SBのジェーミソンがクロスを入れクリスティアーノへ。しかしクリスティアーノがゴール前でキープすると4人ものDFに身体を寄せられたため後ろへ送ると、最後はドッドが強烈なミドルシュート。ボールは枠上にそれたが最初のチャンスを作った。前半12分には、左MFのスパニョールがゴール左隅狙いのシュートを放ったが、ワイタケレGKギレスピーの素晴らしい横飛びに阻止された。前半18分にも、右のショートコーナーからDFジェーミソンが強烈なシュート。アデレードは圧倒的にボールをキープし試合を支配した。
 しかし先制点を奪ったのは前半34分、ワンチャンスをモノにした劣勢のワイタケレだった。右サイドのFKからゴール前にクロスが入ると、MFシーマンと競ったGKガレコビッチがキャッチミスでボールをファンブル。そのチャンスを見逃さなかったMFシーマンが振り返り様に右足でゴールにシュートを流し込み、ワンチャンスを得点に繋げた。ワイタケレがホッとしたのも束の間。前半39分、アデレードがあっという間に試合を振り出しに戻した。右サイドからMFリードがクロスを入れると、ファーサイドでフリーとなった185cmのDFマレンが高い打点からヘディングシュート。アデレードは貴重な同点弾を叩き込み、1-1で前半を折り返した。

 後半もややアデレードのペースで始まった。右サイドのドッドや右SBのマレンを起点に徹底したサイド攻撃からFWクリスティアーノやサーキーズをターゲットにボールを入れる。一方、ワイタケレも自陣でボールを奪取しカウンターからシンプルなパスで前線に繋ぎ、クリシュナやコプリブチッチの両FWが緩急のあるドリブルやスルーパスなどでアデレードを脅かした。しかし、互いに最後の部分でパスの精度が低くフィニッシュを決め切れず、時間だけが過ぎていった。均衡を破るべく先に動いたのはアデレード。後半12分に、左翼のスパニョールに替えアレマオを、同24分にはサーキーズに替えFWユーニスを投入。ワイタケレもFWコプリブチッチを元セレッソ大阪のケイン・ビンセントに、MFピアースを元横浜FCのアドリアーノ・ピメンタに交代。
 アデレードはその後も両ワイドに展開しサイド攻撃に終始、単調な攻撃を見せる。しかし最後の場面で外と中の連携が合わずにチャンスを活かせず、我慢の時間が続いた。そのような中でもアデレードは集中を切らさず攻め込み、セットプレーから勝利の女神を呼び込んだ。試合のハイライトは後半37分。右サイドでのFKからリードが鋭いクロスを入れると、ニアサイドに飛び込んだドッドがヘディングシュート一閃。ゴール左隅に流し込み2-1と勝ち越した。後がないワイタケレもその後、最後の粘りを見せたものの、アデレードの守備を崩せずにそのまま試合終了。
 ワイタケレは2大会連続で開幕戦敗退。一方、アデレードは初出場にして初戦を突破した。アデレードは14日、豊田スタジアムでアジア王者・ガンバ大阪と対戦。FCWCの準々決勝は、ACL決勝戦と同じカードとなった。

(取材・文 山口雄人)

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