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[FCWC]ワイタケレが成長見せるも2年連続開幕戦で姿消す

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[12.11 FCWC アデレード・U2-1ワイタケレ・U 国立]

 ワイタケレ・ユナイテッド(オセアニア代表/ニュージーランド)が11日、FIFAクラブワールドカップ(FCWC)開幕戦でアデレード・ユナイテッド(開催国枠・アジア2位/オーストラリア)相手に先制するも、その後1-2と逆転され2年連続開幕戦敗退が決まった。
 「昨年は5分で崩れた。本日は昨年に比べて非常に良いプレーが出来たので成長を感じている。先制点もとることができたしね」。試合後、主将のDFニール・エンブレンは試合をそう総括した。1年前の12月7日、FCWC初出場のワイタケレはセパハン(イラン)と対戦し世界のレベルを思い知らされた。前半3分、4分と立て続けにFWエマド・モハメドにゴールを決められ守備が崩壊。後半にも加点され敗北した。
 「昨年は満足できなかった。それからFIFAがオセアニアのサッカーのレベルは如何なものかと不安がっているのは知っている。だからこそ、今日はFIFAや世界のファンにオセアニアのサッカーを認めてもらいたくて必死でやった」。昨年の悔しさを晴らすべく臨んだ11日のオセアニアダービー。エンブレンは並々ならぬ意気込みでこの試合に挑んだ。前評判通りアデレードが優位に試合をコントロールする中で、前半34分ワイタケレはワンチャンスを活かしMFシーマンがシュートを流し込んだ。起死回生の先制ゴールにチームは、そしてスタジアムは沸き立った。しかし、その数分後にすぐさま同点にされると、後半37分には決勝弾を喰らい1-2とされた。オセアニア地区2000チームの頂点に立ったワイタケレと、アジア地区20000チーム中2位のアデレードの間には明らかに実力の差があった。ボール支配率はワイタケレの36%に対し、アデレードは64%。シュート数も6本と19本、3倍以上だった。
 しかし、ワイタケレはこの日の試合に成長を感じ、少なからず自信を得ていた。「キック、戦術、自分たちのやりたいサッカーは出来たと思うし、ワイタケレのDFはとても良かった。ただ、準々決勝に進むためにも、あと1年ください」。クリス・ミリシッチ監督がそう振り返ると、エンブレンも「今年のチームは2年連続でこの舞台を経験している選手ばかり。だからこのままチームを維持できれば2年分の経験が皆に積まれる。経験を積めば来年は必ず勝てる」。力強くそう語った。昨年より今年、今年より来年。ワイタケレはゆっくりながら確実に成長している。そして3度目の正直を信じて、来年のFCWCで初の開幕戦突破を見据えた。

(取材・文 山口雄人)

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