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パチューカvsLDUキト 試合後の監督会見要旨

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[12.17 クラブW杯(FCWC)準決勝 パチューカ0-2LDUキト 国立]

 FIFAクラブW杯は17日、国立競技場で準決勝1試合を行い、パチューカ(北中米カリブ海代表/メキシコ)とLDUキト(南米代表/エクアドル)が対戦。前半に2得点を決めたキトがそのまま2-0で逃げ切り、21日の決勝進出を決めた。
以下、試合後の監督会見要旨

<パチューカ>
●エンリケ・メサ監督
「キトが勝ってふさわしい試合をした。支配率では上回っていたと思うが、決定力がなかった。相手の方が強かった。キトは次の試合に進むのにふさわしいチームだったと思う」

―準々決勝で120分間戦った影響はあったか?
「疲れはしようがない。120分プレーして、しかもずっと集中していた。ただ、それは言い訳にならない。キトは自分たちの力を出したが、我々は違った」

―試合後のロッカールームの雰囲気は?
「みんな気落ちしている感じで、今日の試合に頑張って臨んだが、勝利に結び付かなかったので悲しい」

―失点は不運だったか?
「アンラッキーということはないと思う。彼らが決めようとして、そして決められた」

―2試合続けて前半に2失点したが、システムの問題か、それともメンタルの問題か?
「メンタルでもないし、システムの問題でもないと思う。我々はミスを犯し、そこを相手に突かれた。ピッチでミスを犯したということ。そのあとは改善したが、手遅れだった。たまたま今日はそうなっただけで、システムやメンタルの問題ではない」

―決定力がなかったというのは具体的に?
「自分たちが正確さを欠いたのが大きな理由。チャンスはあったのに、決められなかった。ただ、マンスールのハンドになった場面は、偶然、手にぶつかっただけだと思う。あのハンドがすべてのような気がする」

―主審の判定にいら立っている様子もあったが?
「2失点目に関してはそうかもしれない。あまり言いたくはないが、今日の試合に負けた理由はレフリーにもあると、正直に言えば思っている」

―エクアドルのチームの印象は?
「キトは勝つのにふさわしいチームだった。私は自分のチームについて話したい。だからコメントはできない」

―3位決定戦に向けては?
「とにかくミスを犯さないこと。チームはベストを尽くしたし、力いっぱい出した。3位決定戦まで何日かあるので、今日の試合を振り返りたい。今日はたまたまキトが勝ったが、選手のプレーに不満はない」


●エドガルド・バウサ監督
「自分たちの想像していた通りの試合だった。両チームとも勝利を目指していた。パチューカはボールを回してくるチームなので、そこを止めようと思い、それが成功した。ボールを奪って相手のチャンスをつぶすということでは前半はうまくいっていたと思う。過去の試合でしてきたプレーができたのがよかった。場所や環境にかかわらず、自分たちのプレーができたことがうれしい。選手も祝福した」

―リベルタドーレス杯のころと比べてチームは強くなっている?
「ライバルが強敵だったので、実力以上の力が出た。とにかくディフェンスに力を入れた。必要なカバーリングをしようと努めた。ピッチの端から端まで使うのは難しいが、よく守ったと思う。守りをどう固めるかに集中していた。これで世界のナンバー2のうちの1つになったということで、自分たちのチームを誇りに思っている」

―今日は特に調子が良かった?
「国内では最近調子が良くなかったが、クラブW杯に照準を合わせてきた。ピッチに出るまで、今日の試合がどんなものになるか分からなかったが、選手には“頭を上げて堂々とピッチに入れ”と話していた。幸運が味方してくれたと思う」

―FKは練習していた?
「あのプレーは4ヵ月ぐらい前から練習していた。あれが次も入るかは分からないけど。大事な試合なので、一生懸命練習してきた。シンプルなプレーだが、GKの視線を妨げるようにと思っていた。ゴールに結びついて良かった」

―早い時間で試合が決まったが?
「勝敗がこんなに早く付くとは思っていなかった。難しくて、ハードな試合になると思っていた。パチューカはとにかく攻撃的なチームという印象で、うちはスペースがあったら攻撃しようと思っていた。状況的に我々に分があったと思う。スペースがあったので、攻撃にも力を入れられた」

―次は決勝だが?
「筋肉に疲労の残っている選手がいる。あと3日、回復を見たい。世界のベスト2のチームになったことを名誉に思っている。ただ、これで満足しているわけじゃない。さらに上を目指し、勝って世界王者になるつもりだ」

―パチューカについてはかなり研究していた?
「ボランチの2人がいいプレーをするので、そのゾーンにプレスをかけようと思っていた。そこでボールを奪えば攻略できると。1点目もボールを奪ってすぐ決まった。中盤で奪う意識はかなり前から練習していたが、それが現実の形になった」

―ディフェンスのポイントは?
「とにかく集中。パチューカのように細かくパスをつなぐチームに対しては、とにかく集中して守るように伝えた。最後の15分は疲れて思ったような守備はできなかったが、相手のFWがGKと1対1になるようなシーンはなかったと思う。選手のディフェンスに対する集中力が素晴らしかった」

―これまで南米代表というとブラジルやアルゼンチンばかりで、エクアドルの名前はなかったが?
「試合前にも話したが、とにかく責任を感じていた。キトを代表するだけでなく、エクアドルを代表するだけでもなく、南米を代表するという重い責任があった。ただ、チャレンジしがいのある責任でもあり、こういう状況で選手はよく頑張ってくれた。こういう舞台で試合ができてうれしいし、このチームの監督でいられて幸せだ。このチームにスター選手はいないが、全員がピッチで全力を出す素晴らしいチームだ」

(取材・文 西山紘平)

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