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アルアハリvsアデレード・U 試合後の監督会見要旨

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[12.18 クラブW杯(FCWC)5位決定戦 アルアハリ0-1アデレード・U 横浜]

 FIFAクラブW杯・5位決定戦が18日、横浜国際総合競技場で行われ、アルアハリ(アフリカ代表/エジプト)とアデレード・ユナイテッド(開催国枠・アジア2位/オーストラリア)が対戦。試合は前半7分にFWクリスティアーノのゴールで先制したアデレードが1点を守り切り、世界5位の称号を手にした。
以下、試合後の監督会見要旨

<アルアハリ>
●マヌエル・ジョゼ監督
「個人的には驚く結果ではない。初戦に負けたことで大きな批判があり、選手は精神的なダメージを受け、回復できない状態で試合に入った。最初のペースを相手に握られ、点も入れられた。我々はずっと試合を通して大きなチャンスがなかった。PKになったら結果は違ったかもしれないが、内容的には勝つ資格がなかった。いいイメージを残すことはできなかったが、これにめげず、エジプトに帰ってリーグ戦5連勝ができるように頑張りたい。私はこのチームの監督であることに誇りを持っている。
 精神的なダメージをなんとかして、もう少しいい内容の試合をすべきだったが、プレッシャーが大きく、選手もまだ未熟で、耐えられるハートがなかった。負けたときの責任は監督にある。成功したり、失敗したりするのがサッカーで、失敗したときこそ勉強になる。たまに失敗しないと、謙虚さを忘れる。謙虚に成長していかないといけない」

―3年前と同じように6位に戻ったが?
「もちろん喜んではいない。もっといいサッカーをして、喜びを感じて帰りたいと思っていたが、日本に来る前からマスコミは我々を“優勝候補”と言って、感情的になっていた。私が何を言ってもマスコミは聞く耳を持ってくれなかった。チームにどれだけの力があるか、現実を見ることが必要だ。3年前と選手はそれほど変わっていない。若さやスピードは失うが、経験を積んで精神的にも強くなる。しかし、エジプト、アフリカ大陸を出ると、世界の壁にぶつかる。選手は頑張って成長しているが、マスコミは批判する。選手にダメージを与える悪意のある批判は悲しいこと。私は慣れているからどうでもいいが、選手は慣れていない。そのダメージは大きい。サポーターには申し訳ないと思っている。アルアハリが今までどういう歴史をつくってきたか忘れないでほしい。エジプトに戻ったときはまた暖かく迎えてほしい」

―チームには補強が必要か?
「今はそういう話をするタイミングじゃない。2回負けただけで補強の話をするのは今の選手では十分ではないということになる。日本に来る前、どういう結果を出してきたか考えれば、補強やお金を使うという話をするのは今の選手に対してフェアではない。負けたときこそチームと一緒にいなければならないし、こういうときこそひとつになって励まし合うことが必要だ。
 マスコミは私を批判して監督の交代を求めるだろうが、私には1年半契約が残っているし、辞めるつもりはない。マスコミに負けるつもりもないし、マスコミと戦い、勝つつもりだ」

<アデレード・U>
●アウレリオ・ビドマー監督
「大会を通して素晴らしい内容のサッカーができて、母国でサッカーの人気を高め、我々の名前を知ってもらうという意味でもよかった。来年また戻ってきたいし、いろいろなスタイルのチームと対戦できてよかった。世界5位には大きな意味がある。誇りを持って母国に帰ることができるし、アデレードの選手にも、Aリーグの他のチームにも自信を与えることができたと思う。簡単な道のりではなかったが、国際レベルで勝つことは選手のモチベーションにもつながるし、クラブの認知度を上げることにもなる」

―守り切る自信はあったか?
「最初の30分は今大会で最も素晴らしい30分だった。ディエゴが交代してからポゼッションが難しくなり、それが後半に影響した。アルアハリの後半は非常によかったが、うちのGKとDFも頑張ってくれた」

―遠い日本で試合をする難しさはあったか?
「旅行代理店がいいので、問題なかった(笑)。直行便で来ることができたし、ACLでも経験を積んでいる。距離が遠いことは問題になるが、メディカルスタッフ、ドクターに感謝している。確実に選手のコンディションを回復させてくれた。選手の疲れを取って、次の試合に備えることができた。メディカルスタッフにはお世話になった」

<写真>アルアハリのマヌエル・ジョゼ監督
(取材・文 西山紘平)

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