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マンUが5-3の撃ち合い制す、G大阪も意地見せる3発

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[12.18 クラブW杯(FCWC)準決勝 G大阪3-5マンチェスターU 横浜]

 FIFAクラブW杯は18日、横浜国際総合競技場で準決勝を行い、欧州代表のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)がアジア代表のガンバ大阪に5-3で打ち勝ち、決勝進出を決めた。前半28分に右CKからDFビディッチが先制点を決めると、前半ロスタイムにも右CKからFWクリスティアーノ・ロナウドが頭で追加点。G大阪は後半29分にFW山崎雅人のゴールで1点を返したが、その後、FWウェイン・ルーニーの2発など立て続けに3失点。それでも終盤にMF遠藤保仁、MF橋本英郎のゴールで2点を返すなど意地を見せた。マンUは21日の決勝でLDUキト(南米代表/エクアドル)と対戦。G大阪は同日の3位決定戦に回り、パチューカ(北中米カリブ海代表/メキシコ)と対戦する。

 G大阪は準々決勝で負傷したMF佐々木勇人が欠場。同じくMF二川孝広もベンチスタートとなった。システムは4-4-2で、GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大。中盤は明神智和と橋本英郎のダブルボランチで、右に遠藤保仁、左にルーカスが入り、播戸竜二と山崎雅人が2トップを組んだ。
 マンUも4-4-2で、GKファン・デル・サール、4バックは右からネビル、ファーディナンド、ビディッチ、エブラと並んだ。中盤はスコールズとアンデルソンのダブルボランチ。右サイドにC・ロナウド、左サイドにナニが入り、前線はテベスとギグスが縦関係の2トップをつくった。

 立ち上がりはG大阪が前線から激しいプレッシャーを浴びせ、試合の主導権を握った。中盤のプレスからボールを奪い、速攻につなげ、加地と安田理の両サイドバックも積極的に攻撃参加した。前半2分に橋本、同4分に明神とボランチからもミドルシュートを狙い、その直後には安田理が左サイドをドリブル突破し、左足でシュートを打つチャンスもつくった。前半13分には後方からのパスに抜け出した播戸がGKと1対1になる決定機を迎えたが、ファン・デル・サールの好守に阻まれた。
 マンUは徐々に個々の圧倒的な能力差でG大阪のプレスを引きはがしていく。ナニとC・ロナウドの両翼は再々、サイドを突破。前半16分にはC・ロナウドが右サイドからドリブルで中に切れ込み、左足でシュートを放った。
 G大阪は集中力を切らさず、ゴール前ではね返し続けていたが、前半28分、CKからビディッチに先制点を献上。セットプレーからの悔やまれる失点だった。
 1点を取ったマンUは落ち着き払ったプレーでG大阪の反撃をあしらう。何度か速攻から攻め込むG大阪だが、なかなかゴール前まで持ち込めず、遠めからシュートを狙うのが精一杯。前半ロスタイムには、マンUがまたしてもギグスの右CKからC・ロナウドが打点の高いヘディングでゴールネットに突き刺し、2-0とリードを広げて前半を折り返した。

 後半に入ると、マンUがボールを支配し、G大阪に反撃の隙を与えない。後半8分にはテベスの巧みなキープからネビルにつなぎ、後方に落としたボールをスコールズが右足で狙ったが、シュートは大きくゴールの枠を越えた。
 G大阪もボランチにポジションを変えた遠藤の好パスからチャンスをうかがうが、後半11分の播戸のシュートもDFが体で止めるなどマンUの厚い守備を崩せない。後半20分には右45度の位置でFKを獲得。遠藤が右足で直接狙ったが、壁を越えて曲がる絶妙なキックをファン・デル・サールがパンチングで防ぐ。こぼれ球を拾った播戸のシュートもゴールの上へ外れた。
 マンUは中2日の決勝を見据えてか、後半23分から28分までに3人の交代枠をすべて使い切ると、FWルーニーがテベスに代わって登場した直後、G大阪が意地の一発を叩き込む。後半29分、橋本の横パスを受けた山崎が右足を振り切り、1-2と1点差に迫る追撃弾を決めた。
 しかし、この1点でマンUの闘志に再び火が付いた。わずか1分後の後半30分、右後方からのフレッチャーのパスに抜け出したルーニーが左足で流し込み、再び突き放す。G大阪は後半32分、遠藤が強烈な右足ミドルでゴールを襲ったが、またもファン・デル・サールの好セーブに阻まれた。
 そして後半33分、エブラの左クロスにフレッチャーが頭で合わせて4-1。同34分にはギグスのスルーパスにルーニーが抜け出し、ダメ押しの5点目を奪った。
 G大阪は後半40分、播戸の左クロスがネビルのハンドを誘い、PKを獲得。これを遠藤が落ち着いてゴール左隅に流し込んだ。後半ロスタイムにも橋本が豪快な右足ミドルを叩き込むなどG大阪は最後まであきらめずに反撃を狙ったが、試合は5-3で終了。激しい撃ち合いとなったゲームは、世界最強の赤い悪魔が、アジア最強の攻撃力を誇るG大阪を力でねじ伏せた。

<写真>試合後、握手を交わすマンチェスター・U・FW、CロナウドとG大阪MF遠藤(7番)
(取材・文 西山紘平)

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