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[戦評]得るものが多かったG大阪の敗戦(G大阪vsマンU)

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[12.18 クラブW杯(FCWC)準決勝 G大阪3-5マンU 横浜]

田村修一の「視点」

 得点がたくさん入ったこともありエンターテインメントとしては非常に面白いゲームだった。しかし、結果的には両チームの"大きな力の差"を感じた一戦だった。
 西野朗監督は記者会見で「相手を本気にさせられず残念」と話していたが、裏を返せば「何故本気にさせられなかったのか」という答えを見つけられた敗戦になったと思う。攻撃に関しては、G大阪はオフザボールの動きまで相手に読まれていた。ゴール前フリーでパスを受けられる機会が前半途中から殆どなくなり、攻めあぐねた。後半得点に繋がったプレーは至ってシンプルなパスが良い所に出て、ゴールに繋がったもの。ああいうプレーをしていく為には、G大阪は動きの質、判断の早さ、勇気をもって攻めていく事、この3点に改善の必要がある。
 守備に関しては特に、CBのレベルを上げていかねばならない。山口智中澤聡太はアジアレベルでは高い守備力を誇るが、世界レベルではまだまだ。特に3失点目は、中澤がルーニーの簡単な身体の入れ替えで抜かれた単純なミス。最後の局面でのシチュエーションを意識していくような実践練習も積む必要があるだろう。G大阪は個を強くして、同時に経験値を上げていかなければいけない。マンUはこの試合をトレーニングマッチくらいにしか捉えていないだろう。最初から本気でやっていたら、マンUの攻めの厚みはあのようなレベルでは収まらなかったなかった筈。G大阪はこの試合で、これからは攻守両面で何をしていくべきかが明確になった、得るものが非常に大きな試合になったと思う。

<写真>試合後、サポーターに挨拶するG大阪の選手たち
(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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