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ヘッド一閃のC・ロナウド、「次もネットにボールを放り込む」と予告ゴール

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[12.18 クラブW杯(FCWC)準決勝 G大阪3-5マンチェスターU 横浜]

 役者が違った。1-0の前半ロスタイム、MFギグスの右CKから一瞬の動きでフリーになったFWクリスティアーノ・ロナウドが打点の高いヘディングで捉え、ゴールネットを揺らす。“クリロナ”目当てで駆け付けたファンも多かっただろう。満員のスタジアムで“らしさ”は存分に発揮した。得意のシザースで対面のDF安田理大を翻弄。前半6分には右サイドから中に切り返し、左足ミドルでゴールを狙う。前半12分、左45度からのFKのチャンスには代名詞の無回転FKを放った。これはDFに当たったが、6万7618人の観衆で埋まったスタンドからは無数のフラッシュが光った。

 「日本のファンはファンタスティックだ。信じられないぐらいサポートしてくれて、ホームにいるようにプレーできた」。C・ロナウドの表情は、社交辞令抜きで驚いていた。対戦していたのが日本を代表するG大阪だったのだから、こうしたスタジアムの雰囲気には違和感も覚えたが、バロンドールを受賞した世界最高のテクニックが観る者を魅了したのも事実。「チームみんなで点を取った。自分のゴールより、チームでゴールできたことがうれしい」。07-08シーズンに42得点を量産した背番号7はそう謙虚に話した。

 21日の決勝は世界一のタイトルを懸けた争いだ。「世界チャンピオンになるというのは自分にとってもクラブにとっても大きな意味がある。個人だけでなく、チームにとってもチームメイトにとっても、一生に一度あるかないかのチャンス。日本に来て、こういう試合ができてモチベーションはさらに上がっている。ファンタスティックな気持ちで、とてもハッピーだ。決勝は今日より大変だろうが、この気持ちを維持して臨みたい。トロフィーを持ち帰りたい。ネットにボールを放り込む。それしか考えていない」。個人タイトルを総なめにした男にとって、今欲しいのはチームとしての世界一の称号。自らのゴールで、その野望を実現させる。

<写真>試合後、ロッカールームへ引き上げるマンチェスター・UのFW、C・ロナウド(写真中央)
(取材・文 西山紘平)

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