beacon

G大阪が山崎弾でクラブW杯堂々の世界第3位に!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.21 クラブW杯(FCWC)3位決定戦 パチューカ0-1G大阪 横浜]

 FIFAクラブW杯・3位決定戦が21日、横浜国際総合競技場で行われ、アジア代表のガンバ大阪が北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)と対戦した。試合は3位決定戦らしい激しい戦いとなったが、準決勝に続いてFW山崎雅人が鮮やかなゴールで得点。G大阪が見事に3位決定戦を制し、堂々の世界第3位に輝いた。

 準決勝で欧州代表マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)相手に3-5と健闘したG大阪は、この日も4-4-2の布陣。GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大。中盤は遠藤保仁と明神智和のダブルボランチで、右に橋本英郎、左にルーカスが入り、播戸竜二と山崎が2トップを張った。
 パチューカはブラジル人FWクリスティアンを頂点に、右にヒネメス、左にアルバレスとアルゼンチン人FWを配した3-4-3-の布陣で臨んだ。

 序盤は両者とも高い位置からプレスを仕掛け、主導権の握り合いとなった。まずチャンスを作ったのは前半10分、パチューカだった。中央のアルバレスからのスルーパスに飛び出したクリスティアンがGK藤ヶ谷と1対1のチャンスを迎えたが、クリスティアンはシュートを躊躇いフィニッシュまで持ち込めず。その後、ボールを戻しヒメネスがループシュートするも枠を外れた。
 相手のミスに助けられ決定的ピンチを逃れたG大阪はその後、マンUを苦しめたパスサッカーを武器に試合を優位に進めた。早いプレスでボールを奪取するとピッチを縦横無尽に使い攻撃にスイッチ。前半11分、播戸からの縦パスに飛び出した山崎がPA外位置で潰されFKを得る。ここでキッカー遠藤登場。遠藤は壁の隙間を通すシュートを放ったが、守護神カレロにキャッチされた。前半23分には、中央からのスルーパスにルーカスが走り込みフィニッシュ。シュートはDFアギラルに阻止されるもリズミカルに攻め続けた。攻撃の手を緩めなかった事で前半29分、G大阪が先制に成功した。右サイドの橋本から中央の播戸にパスが出ると、播戸はダイレクトでゴール前にパスを浮かす。そこに勢いよく走り込んだ山崎はDFを振りはらい右足から鋭い弾道のシュートを放った。1-0。G大阪は世界3位を手繰り寄せる先制点を奪取。これで勢い付いたG大阪は前半32分にも、PA左位置からルーカスがPA右スペースに鋭いクロスを入れると走り込んだ播戸がダイレクトシュート。完全に枠をとらえたが、左足で弾いたGKカレロの執念の守備に阻止された。同39分にも左サイド遠藤のクロスから播戸、山崎と繋ぎ、山崎がフィニッシュ。前半は効果的なパスを繋ぎ続けたG大阪が1点リードで折り返した。

 後半が始まるとパチューカはMFカルデナスをMFトーレスに、FWアルバレスをFCWC1得点のMFモンテスに交代し、得点を狙いにかかる。G大阪も後半18分、播戸に替え準々決勝・アデレード・ユナイテッド戦で負傷した二川孝広を投入。
 一進一退の攻防が続いていたが、ゲームに熱を帯び始めたのは後半20分過ぎ。後半22分、均衡した試合の流れに痺れを切らしたのか、GKカレロがPAから出て自らドリブル。その後、前線のクリスティアンにフィードし、胸トラップしたクリスティアンは反転しフィニッシュを打った。守護神カレロの大胆なプレーにスタジアムが沸き立つと、後半28分にはPA前の加地が左に逃げる鮮やかなブーメランシュートを放ち、負けじと会場を沸かせた。パチューカはその後、MFカバジェロに替えFCWC史上最年少選手となる16歳のFWマノンを投入し、最後の猛攻に出た。後半37分、PA左外のFKからヒメネスが枠右上を抜けるシュートを放つ。同39分には、カウンター攻撃からヒメネスがPA左に切れ込みシュート。その直後にも、右CKからのこぼれ球をヒメネスがシュート。ロスタイムのセットプレーでは、守護神カレロが前線に上がり意地の姿勢を見せた。しかし、G大阪も意地の守備で凌ぎ切り1-0で、この激闘を制した。
 この勝利により、G大阪はクラブワールドカップ初出場にして世界301,000あるクラブの中で世界第3位となる快挙を達成。日本のクラブとして、昨年度の浦和レッズの3位に続いて2度目の栄誉を得た。一方、パチューカはクラブW杯2度目の挑戦で堂々の世界第4位。準々決勝で敗退した昨年に比べて大いなる飛躍を遂げ、08年のクラブW杯を締めくくった。

<写真>FW山崎の決勝点でG大阪が勝利
(取材・文 山口雄人)

TOP